6/29/2009

may/15th/09 Tokyo-Ventura

メキシコを起点に世界にいろがる新型インフルエンザが猛威を振るい、日本では常にトップ・ニュースで状況が伝えられている。


5月15日、金曜日、曇り空の午前10時。
時元浅草では一大イベント三社祭がはじまろうとしている中、ショップにて今回の旅友Nao(仮名)にピックアップしてもらい、いよいよカリフォルニアへ向けて出発だ。
平日ということもあり順調に高速をクルーズし、時間にゆとりを持って成田・新東京国際空港に到着。
ラインナップなどとは全く無縁のチェックイン・カウンターにて、可能な限り小さく畳まれたサーフボード用のコフィン・ケースと今はまだスカスカのバッグを預けて、チェックインを済ませよう。

今回の旅友Naoはサーフボードについての造詣が深く、何よりも話しをしていてとても心地よい気分でいられる大切な友人の一人だ。
少し前の話だが、何の相談もなしにそれぞれが別々のシェイパーにオーダーしたボードのひとつが、同じ時期に出来上がってきた。
少々興奮気味にNaoから電話をもらい、メールの添付画像を見てビックリ!
2本のボード形状はもちろん、かなりユニークのボードの特性、さらに2色のカラーリングまでそっくり同じではないか。。。
そして今日も空港で一番お気に入りのレストランがまさに「ビンゴ!」だ。
さっそくカウンターに席を取ると、思い思いのペースでお気に入りの握り寿司をオーダーしペロリと平らげた。


定刻より十分ほど遅れて飛び立った全日空NH006便。
座席はお互いお気に入りのところをネットでの手配時に事前確保してある。
適度なアルコールと予約した乳製品有りのベジタリアン・ミールを美味しく頂くと、もちろん後はただ寝るのみ。
普段はそれほど聞きもしないクラッシックや、のめりこまない程度に好んで聴いているジャズをBGMに6,7時間、たっぷりと熟睡させていただいた。。。


曇り空の中到着したLAX。
ドライな移動空間から脱出すると、今日もカリフォルニアの乾いた空気と少々スモッグが入り混じったようなLAX独特の香りを大きく吸い込んだ。
どこへ行っても機内から出るとその土地の香りがする気がするのは自分だけだろうか。。。

すみやかに入国審査をパスし、少しだけ落ち着きをなくす頃にやっと現れたシャトルバスでレンタカー会社へ向かおう。

今回のパートナーはNaoが手配してくれたマツダのミディアムクラス。
しかもナビゲーション・システムつきだ。
長い距離をドライブする機会が多いので、シートのポジションと硬さが良い分、快適なドライブができそうだ。。。

待ち合わせをさせていただいたCA師匠夫婦と共にさっそく近場のサーフショップをチェックしよう。
ハル、シモンズからフィッシュなどどれも素晴らしいセレクションなのだが、心はすでにベンチュラのショーにいってしまっているためか、以前のような感動はまったく感じられない。。。


師匠夫婦と一旦別れ、いよいよ一路ベンチュラを目指す。
多少の混雑は覚悟していたはずのLAの渋滞も、金曜の午後3時過ぎともなると想像を絶する世界らしい。。。

LAXを過ぎた辺りから始まった渋滞は、結局ヴェンチュラの手前オックスナードの街まで、3時間前後断続的に続いた。
途中、西日と時差で睡魔に襲われるも交代するタイミングが見つからないまま、道中延々と運転をしてくれたNaoに感謝だ。。。


ホテルにチェックインしクイックシャワーを済ませると、先にベンチュラ入りし明日からはじまるセィクリッド・クラフトの準備を済ませて戻ったマンダラ・カスタム・シェイプスのマニと部屋で合流。
さっそく再会の喜びを伝え挨拶を交わそう。
さらに彼の友人で、ヴィンテージ・ファブリックで1点1物のオリジナル・ボードバックを創るエリカとも初対面の挨拶を交わすと、抑えきれないほどの喉の渇きと空腹感を満たすため、さっそくみんなでベンチュラの街へと繰り出そう。
今日の晩餐は満場一致で「フィッシュ・タコス!」
想像するだけでよだれが出てきてしまう。。。笑

古い建造物が立ち並ぶ街並みと街灯の暖かな灯りが、まるでこの通りだけ別世界にさえ感じさせてくれる心地よい雰囲気のメインストリート。
マニが偶然見つけたレストランのメニューには、フレッシュな白身魚をグリルした「フィッシュ・タコス」の文字。
もちろん迷うことなく即入店。
間口の割にかなり奥行きがあり、さらに高い天井も手伝いとても広くくつろげそうな店内には、綺麗に磨かれた地ビールのタンクと、壁のたかいいところ一面に広がる大きなボードに書かれた沢山の地ビール・メニューが、落ち着いた照明と共に店内の素敵なアクセントになっている。
ちょっとタコスを食べ過ぎているのではないかとさえ思える超巨漢の店員さんに順序よくオーダーをすると、運ばれてきた思い思いのドリンクで「チアーーーーズ!」。

アルコールで喉を潤せば、空腹感もさらに倍増してくる。


自分は大きなアボガトとガーリックの香ばしい香り漂うグリルド・フィッシュが入ったのタコスを3つ、愉快な仲間の楽しい会話と共に、あっという間にペロリと平らげてしまった。。。


その後、どういう訳だかピンポン・テーブルを求めてベンチュラの街をさまようも、もちろん無理な話。
ウィークエンドでとてもにぎやかなアイリッシュバーにて数杯ギネスを楽しむと、そろそろ2次会も終了にしよう。
明日のショーで展示するボードバッグにタグを取り付ける作業が残っているエリカをみんなで散歩がてらホテルまで送り届ける。


そして再び街」へ舞い戻り、マニが電話で待ち合わせたジョニー&ブライアンと合流しよう。
ブライアンことブライアン・ヒルバーズ氏はご存知「ファインライン」のシェイパーであり、正統派ハルビルダーの一人でもある。
大男ジョニーは元ライフガードという本物のウォーターマンであり、ハル・ボードについては造詣も深く、必要なときにだけディープなコメントを的確に入れてくれる。
ベニスのショップで働いていたこともあり、ありがたいことに自分のことを覚えてくれていたようだ。

ブライアンから直接MPやジー・ビーからジョーズやワイルド・シングにつき沢山の説明を頂き、今後のライディングにもアドバイスいただいたイメージからグッと深みが増しそうである。。。
またマニとブライアンのハル談義は本物のシェイパー同士の熱いもので、こういうところからも世代の違うシェイパーからシェイパーへと技術とソウルが受け継がれていったり、またそれぞれの理論がどういうものかを理解しながらも、自分自身の理論に対する自信のようなものを積み重ねていったりできるのだろう。。。


ベンチュラの乾いた空気も日付が変わるとさらにヒンヤリとしてきた。
尽きることのない話しを切り上げるタイミングは難しいものだが、徐々に場の空気がお開きのムードになってきた。
明日はいよいよエクスぽ初日だ。
店を後にするとベンチュラの静かな街をのんびりと歩いてホテルに戻ろう。


部屋に戻り冷えた身体を熱いコーヒーで温め、サクッとメール等チェック。
ホテルの部屋は生活感がなく一人で横になると時折寂しさを感じることがある。
なんだかそんな気分を感じながら照明を落とすも、暗くなるとあっという間に夢の世界へ入り込んでしまったらしい。。。