9/27/2013

McCallum *Flex Tail***




 クラフトマン、ジェフ・マッカラム。今回の入荷では今まで様々な要因で遅れに遅れていたフレックス・テールを持つボードが3本まとめて入荷した。と書いたところで、普通それが特別なことであるとは思わないだろう。その製造工程からワンバッチに1本が限界としてリミテッド・モデルとなっているフレックス・エッグ&フレックスL*7(最近ではクワッグ3フレックス・テールなどと読んだりもしている)。それはなぜなのだろうか。


 通常のサーフボードでさえシェイプ後のラミネイトなどに最低1週間は必要とされている。しかしこのフレックステールを作り出すためには、ボトムをシェイプした上でまずボトムをラミネイトし、次にデッキ側のテールをシェイプ。このときフレックス部のボトム面を残さなければならないため、通常のシェイプより更に繊細な作業となる。そしてデッキをラミネイト。フレックス部のレイヤーをご覧いただければお分かりのとおり、強度をとるためにクロスの積層も多くなるし、一度にクロスを多くしてしまうと段差が出来てしまうためレイヤーするクロスの大きさは1枚1枚違っている。つまり、シェイプを2度に分けなければならないことと、ラミネイトを非常に複雑で手の込んだものにしていることから、通常よりもかなり多くの時間と技術が必要とされる。そのため通常は1週間の流れの中で1本をカバーするのが精一杯という事になる。今回の様に3本まとめて仕上げるためにどれだけの労力を費やしたんだろう。


  そこまでしてなぜこのフレックステールを作りたいのだろうか。その拘りはジェフが古いスプーンの存在感と乗り味に魅せられ、一時は自ら作り出した何本ものスプーンでビック・ロックのバレルに猛チャージし、誰よりも奥からそのフレックスを活かしたスピードで駆け抜けた瞬間からはじまっている。そしてセカンドジェネレーション・シモンズでのフレックス・テール・バージョンへとその魅力は引き継がれ、今のL*7及びクワッグのフレックステールへと進化しているのだ。



波に食いつく、よりシャープな動きとスピード。それを活かしたターン。しなり過ぎによる若干のディレイを感じること無く、適度なフレックスを持ったこのボード。性能と見た目の存在感。このどちらもがきっとオーナーの心を満たしてくれるだろう。







*ただいま、オッシュマンズ(原宿)、サタデーズ (代官山)、ニュー・エボリューション(浅草合羽橋)、そしてボンズ(大網白里)にて、フレックスを持ったマッカラムをご覧頂けます。(ショップ名はあいうえお順)