11/20/2017

Omote Myougi Jyuusou***

 妙義に行く際はいつもお世話になっている宿、東雲館は妙義神社の参道にある旅館です。この宿の主人は妙義の山岳救助に長きに渡り携わっていることから、この山に詳しく新たなルート開拓も行なっていらっしゃいます。またこうした事情からか山岳ガイドの皆さんも多く利用している宿です。前夜も日没後、駐車場に一台登山者の車が残っていることが判明したのち山から携帯で救助の申請があり、若手の方達が登って行きました。上で登山者を発見後共にビバークし早朝に無事下山してきたそうです。ここ一ヶ月以内にも死亡事故が起こっているので、しっかりとクライミング装備をし気を引き締めて出発です。


表妙義妙義神社側
白雲山
この岩山の天辺のギザギザを進んでいきます

中の嶽神社側
金洞山

 今回は妙義神社から大の字を通過せず第一見晴から辻へ向かうコースで上に上がります。標高差が600mほどなので1時間半で岩山の上に上がれますが、ご覧のようなシェイプの山なので奥の院からの登りだしはほぼ垂直の岩壁を30mほど鎖を一つの支点に使い登ります。ここも複数の死亡事故など重大事故が多発している気の抜けないセクション。その後の急な登りも足を滑らせれば滑落必死なので落ち葉で埋もれた足場を一歩一歩しっかりと確認しながら登ります。


上部に上がると見える裏妙義と浅間山

こんな岩の縁や切れ目を登ったり降りたり
一体何本の鎖がかかっているのか
緊張感をしっかりと保ちながら楽しみましょう

絶壁の天狗岳


一箇所だけ鎖場の画像をご紹介
ホールドもあり難しい鎖ではありませんが
長いですね

こちらは上の画像の下側
もっとスリルのある鎖場が山のようにあります



裏妙義と浅間山
よく見ると右のピークに丁須の頭が見えますね

これから向かう金洞山
細い尾根の先には70m一気に登る鷹戻しが待っています

割れ目に鎖が何本かかっています
ここも通過してきた道

ここも右上の割れ目を通過してきました


無事下山


紅葉のピークはすっかり過ぎてしまいましたが
今日ももみじだけはまだ綺麗に染まっていました


 今回のコースではコースタイムは9時間10分。出発が少し遅れ7:45になってしまったので、コースタイムのスピードではたどり着く前に暗闇になってしまいかなり危険です。過去の実績から暗くなる前に下山できる自信はありましたが、途中で無理があれば2つのエスケープルートもオプションとして考えていました。結果、いつも通りのペースで進みながらも食事休憩は取らずに来ることで14:25には中の嶽神社に無事到着。途中すれ違った登山者は1組二人、最後に前方に1名姿を見ることができたので、この日の表妙義縦走はおそらく総勢3組4名。とても静かな山行を楽しみながら、緊張感を保つメンタル、バランスを保つ体幹部、そして三点支持での全身の筋肉の良いトレーニングをすることができました。まだまだ下りの重心の取り方などには課題がありますが、今回も実りの多い山行をさせていただきました。



(注意)
 ご覧の通り妙義山上部の登山はクライミング装備で行くべき山という警告がいずれの上り口にも表示してあります。自分自身もヘルメットをかぶり、ハーネスをつけ、いつでもセルフビレイができる準備をしております。もちろん下降器なども持ち、ロープも担いで登っております。それでも決して油断は禁物の難コースです。もしご興味がある方は、まず山岳ガイドと登ることをお勧めいたします。間違ってもハイキング装備では登らないようにしてください。(中間道と呼ばれるハイキングコースもあるので、技術と装備に合わせたコースで楽しみましょう。)