4/18/2016

Super Stormy Mountain***


4月の山行は雪山の富士山へ

 富士山に登りたいけど、混雑の夏山はちょっと。。。ただし雪の残る富士山は本格冬山装備で体調を整え挑戦しなければならないエキスパート・オンリーの山です。山頂付近は全面アイスバーンなので、アイゼンすら先しか刺さらず、突風に煽られ滑ってしまうと止まることも困難なところ。自分はもちろんプロの山岳ガイドのガイディングでチャレンジします。


 土曜日午後、吉田口馬返しからスタート。

九州の地震被害へのご祈祷を兼ねた山行に。

1合目
鈴原社

2合目
史跡が多い様子。

3合目
スバルラインの開通後、茶屋は皆廃墟に。。。

4合目付近。


終盤は雪道に。

本日の目的地
佐藤小屋到着。

 初日は麓から少し上がった馬返しから5合目まで。スバルラインの開通後はひっそりとした雰囲気で良い登山道の様子。ただし要所要所にあった茶屋は皆朽ち果ててしまい、かなり寂しい雰囲気に。到着した小屋では県警山岳隊の皆様が先週起こった残念な事故もあってか、山頂まで行ってきたそう。自分たちもアイゼンとピッケルの確認のため小屋付近で小一時間のトレーニング。明日はどう考えても天候が悪くなる一方の予報。特に風が強くおそらく山頂を目指すことは不可能な中、少しでもチャンスがありそうな早朝に出発すべく、3時起床、3時半朝食、4時半には出発準備のスケジュール。軽いアルコールと美味しい鍋の夕食をいただいた後は、早めに寝床に。
 翌朝は耳栓をしていても気になる風の音でアラームのなる少し前に目覚める。昨晩すでに吹き出していた風がさらに強まっている様子。朝食を済ませたものの暗い中ヘッドランプでの山行には風が強すぎるため、明るくなる5時になってからとりあえず6合目目で強風の体験山行に。

いざ出発。
(写真は余裕がある時のものなので、唯一雪のない場所で)

耐風姿勢のまま動けず。
(訓練ではありません。。。)

ツェルトで小休止。
(リアルではなく体験的なレストです)

初回は6合目手前で撤退。
(白ヘルは澤田ガイド、オレンジヘルは小俣ガイド)
次こそ必ず。。。

乱れ暴れる雲。


 佐藤小屋からしばらくは夏道の樹林帯のため、風の直撃は受けず雪とアイスの上をテンポ良く登れるものの、常に止むことのない木々をなぎ倒さんばかりの風の音。時折折り返しで樹林帯から外れると耐風姿勢が必要なことも。。。樹林帯を抜け小ピークの先に目標の建物が見え始めると、そこは未体験ゾーン。終始止むことのない20−25m程の風と時折くるさらなる突風に耐風姿勢のまま動けず、少し弱まった隙に前進するも進むよりも待つ時間が長く、厳冬期なら指先などは凍傷になってしまいそう。女性陣心なしか風で体が後ろに動いてます。。。ガイド両名の判断で無理せず小屋へ引き返すことに。 
 途中ツェルトの有難さを体験したり、小屋でコンパスの使い方とプチ読図の講習をしてもらったり、登れない分はしっかりプラスで指導をしてくれます。がどうやら外が吹雪になってきたようなので、長居せず下山。標高が下がれば当然吹雪は雨に変わり、ザックの中はカバーをしても結構な濡れ具合。今回の山行は事前にハードなことは覚悟の上。そんな中でも貴重な体験をさせてくれたシエラ・ガイドツアー、澤田ガイド&小俣ガイド、佐藤小屋のご夫婦、そして同行させていただいた皆様ありがとうございました。経験豊富なガイド、心温かなサービスをしてくれる小屋のご夫婦に心より感謝いたします。予定外の馬返しスタート。山頂へ向かえず。強風体験。雨の山行。どれも経験少ない自分に取り、プラスになる良い経験となりました。また、帰路も途中までご一緒させていただいた大先輩のご婦人は、富士山も今回が40回目、日本の数々の無雪期&冬期バリエーションルート、さらにネパールのアイスピーク、ロブチェやアフリカのキリマンジェロなど、驚愕の山行暦の持ち主。面白いエピソードやこれからの自分へのアドバイスなどをたくさん頂き、本当に嬉しかったです。一期一会とは言うものの、また何処かの山でお会いできたらと思える素敵な方でした。