カリフォルニアにおいてはタコスやブリトーなどメキシカン・フードがとてもメジャーであるということを、その美味しさと合わせて実感し始めた様子の昌樹はもちろんだが、自分もウィークエンドらしいのんびりとしたランチタイムを楽しませていただき、みんな満腹で幸せ気分のレストランからの帰り道。今日のこの後の予定をザクッとマニが話してくれている。
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ウィークエンドの今晩はいくつかのパーティーがあるらしいのだが、昨晩ジョエル・チューダーのバースデー・パーティーでDJを務めたマニはどうやら疲れ気味らしく、今日3つのパーティーを掛け持ちする元気はないようだ。。。
そこで中でも親しい友人であり、アーティストとしても有名なアンディー・デイビスのホーム・パーティーに行くつもりであること。今日は大きなパーティーではなく極近い友人とアットホームなパーティーになること。料理は分担制でマニがトルティーヤ・チップスによく合うワカモーレ(アボガド・ディップ)、クリス・デル・モロはご自慢のサラダを、そしてアンディーの友人で元シェフ(?!) がパスタなどを作ってくれるので、自分たちの飲み物を準備していけばOKであることなどを順序良く説明してくれた。
自分の語学力は大したことはないのだがマニの丁寧な英語のおかげもあり問題なく話を聞いていた。昌樹は何カ所か理解できなかったらしいのでそこは補足しながら今日の流れを説明しているのだが、まだ”マニ”の家に行き彼と一緒に食事をし、今も彼のバンで移動しているということをやっと「現実」だと理解できはじめたばかりのところに、「アンディー・デイビスのホーム・パーティー」、「クリス・デル・モロと彼の手作りサラダ」など今晩の豪華なイベントを聞いて目が回る勢いの昌樹。彼のあがりすぎたテンションを見ていると、そのうち熱でも出して倒れこんでしまいそうにさえ思えてしまう。。。笑
「ピピピッ!ピピピッ!」
そんな最中マニのセル・フォンから着信の合図。どうやら電話の相手は今まさに話をしていたアンディーらしく、庭の手入れをしていたところ草刈機が壊れたのでマニの助けが必要らしい。。。
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偶然かなり近くにいたらしく、急きょUターンし5分ほどのドライブで到着したアンディーの自宅。たくさんのサボテンが何となくメキシコっぽくさえ感じさせるゲートの外側。門をあけて一歩踏み込むと右に広がる広い庭と正面奥には大きすぎず機能的に造られた素敵な2階建てのアメリカン・ハウスが建っている。
庭にはゴーグルをつけて草刈使用の武装(?!)をしたアンディー、そして彼の親友ハーゴがなぜだかハイ・テンションで壊れたウィード・ワッカーをいじりながらなにやら楽しそうに盛り上がっている。マニに紹介され昌樹と2人初対面の挨拶をしよう。愉快な格好とその楽しそうな勢いのおかげで昌樹も緊張することなくさらっと自己紹介&シェイクハンド。
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さっそくみんなで機械の壊れた箇所を弄り出した。。。
刃ではなくナイロン製のスティックのようなものを回転させて雑草などをカットする安全性の高いものだが、すり減ったナイロンスティックを伸ばせるように中心に長い長いナイロンが糸巻きのように巻かれている。そのスティックを伸ばそうとしてコイルのカバーが外れてしまい、元に戻せない状態だそうだ。見ていると繊細な絵を描くアンディーも機械に対しては案外と力任せにジョイントしようと試みているのだが、なぜか組み合わせが不自然で蓋は全く閉まりそうもない。
次にハーゴも同じ方法でより無理やりに蓋を閉めようとするが当然ながらうまくいかない。。。
ついにマニが各部を冷静にチェックしちょっと違うアプローチ。手馴れた手つきで冷静にそして器用に各部を組み合わせてみるが、何度やってももう一息のところだが何かが違う。。。
みんなが少々諦め気味になってもう一つ別の機種1台だけを使って雑草をカットをしはじめた。そこで昌樹と二人もうひと息のマニの組み合わせをアレンジしながらも、彼とは逆の発想でスプリングを外側のくぼみに合わせ各部を合わせてみる。かなり惜しい。。。
ほとんどうまくいっているので再び確認するとバネを固定できそうな突起の分だけふたが閉まらないようだ。こんどはその突起にバネをセットし固定し再度ふたを閉めると、少しの力も力も要らずに「カチッ!」と本体にフィットした。
大喜びのアンディー達、特にアンディーはこれで刈りたかった雑草が綺麗になるのでうれしさのテンションもマックス?!
「サンキュー、ノブ。」
「サンキュー、マサキ。」
と連呼しながら握手を繰り返すアンディー。このおかげですっかり自分らの名前を覚えてくれたようだ。。。笑顔
このあとハーゴとアンディーは子供が楽しそうに草刈りをするかのごとく、愉快で楽しそうに庭中を徘徊していた。。。笑
夕方の再開を約束しアンディーの家を後にすると、まだオープンして間もない「サーフィー・サーフィー」をサクッとのぞかせていただこう。pch沿いにある1920年代に建てられた建物で、かつてはサーフボード・ファクトリーであったり、Longboard Grotto というショップだったりしたので、場所が分かる方も多いと思う。
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カウンター越しにショップをコントロールしているPJと再会の挨拶を交わすと、さっそく綺麗な店内をチェックしよう。すでにたくさんのキャンベル・ボンザーなどが並ぶ中央のラックを食い入るように入念にチェックしている昌樹。
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次にショップ奥にあるマニ自慢のマンダラ・コーナーへ足を運んでみると、木製のラックを組み合わせて、アートが施されたフィン、乾燥したシーアーチン、古い糸巻き、ガラス瓶や陶器をバランス良く並べて彼独特の空間を表現している。そこに溶け込むかのように置かれたボードは、まさに差別化され特別なものにさえ見えてしまう。。。
昌樹は飾られたマニのボードにすでにノックアウト状態。。。笑
ほかにもダニエル・トムソンの機能的でユニークなボード、グラスオンされたミランドン・フィンが綺麗なミランドン・ツインピン・フィッシュなど魅力的なボードが目白押しだ。マニが熱心なカスタマーにマンダラのボードの説明するのを終えると、PJに挨拶をして店を後にした。
マニの帰りを待ち遠しそうにしていたゾーイがバンの窓から顔を出して大歓迎して迎えてくれる。相変わらずやむことのないオンショアの風ではあるが、多少でもコンディションが良くなっていればマニのニュー・シェイプでサーフしたいところだ。いったん彼の自宅に戻るとさっそく波をチェックしてみよう。