かつてハイドロない波かのプロジェクトもあり、サンディエゴの伝統的なデザインの一つ、ミニ・シモンズが注目を集めましたね。そんなミニ・シモンズですが、自分にとってはそれを知り、乗り続けてきたことで、今ではなくてはならないサーフボード・デザインの一つになっております。
シモンズの歴史はとても古く、カリフォルニア、のパサデナ出身のボブ・シモンズが1940年代後半に作り上げたものです。まだ長く、平らな暑い板のようなサーフボードが主流だった時代に、幅広で、薄く、スプーンのようなノーズと四角いテールを持った、流体力学を取り入れたボトムを持つ斬新なサーフボードをつくったのです。
素材もレッドウッドとバルサのコンポジットやバルサに初めてグラスファイバーをレジンで固めたものを使用したり、しかもスタイロフォームをバルサで挟んだ方法のサーフボード制作にもトライし続けていたようです。さらにデュアルフィンをこの時代に取り入れていることも含め、明らかに時代を飛び越した前衛的才能を発揮した天才と言える気がしますね。
残念なことにまだ35歳という若さで、ウィンダンシーの大波に乗っている際に亡くなられてしまいました。もしシモンズが生きていたら、サーフボードデザインの進化に大きな影響を与えていた可能性が高い気がしますので、現代のサーフボードデザインももしかすると違ったもののになっていたかもしれません。
画像のボードは、サンディエゴに残るオリジナルのシモンズの一つ。2016年の12月のサンディエゴ・トリップの際、ボブ・ミツベンの工場にあったものをじっくりと見て触って、そして撮影してきたものです。こうした歴史的なデザインが、しっかりと残っているのが素晴らしいですね。重かった。
ちなみに、ボブは画像にあるシモンズを削る際に実物を見ながら、オリジナルの魅力を大切に、それでいてファインチューンでアレンジした一本をシェイプしたのでしょう。
こうしたサンディエゴのサーフィン史、更にサーフボード・デザインの歴史にも欠かすことができない1940年代後半のシモンズ・デザイン。
半世紀の時を経て2003年の復刻プロジェクトの頃からショートレングスメインで復活。その後は世界中で様々なシェイパーがミニ・シモンズをリリースし大ブレイクしましたね。それぞれのシェイパーの考えから、アウトライン、ロッカーからレールデザイン、テールデザイン、更にフィンセッティングまで、アプローチは様々です。
そして2024年の今でも、弊店で取り扱うマッカラム、ミツベン、ザモラとのコラボレーションからクラウス・ジョーンズまで、それぞれのスタイルで更にネクスト・ジェンレーションへと進化したニュー・モデルが魅力満載です。
Jeff McCallum
マッカラムでかつて年間50本の限定生産で作っていたミニ・シモンズ。第1世代のファースト・ジェネレーション、フレックスのフィッシュテールを持ったセカンド・ジェネレーション、から第3世代を得て、”マエストロ” ジェフが考えた次世代のシモンズはシェイプバランスを整えたオリジナルベースのシンプルなデザインにクワッドのフィンセッティング。
画像のものは以前ソールドになった7’0”ですが、ジェフ自身、未だシモンズにはサーフボードとしての魅力が詰まっていると言っていたのが印象的でした。
そしてこちらは現在自分がテストしている6’6”のミニ・シモンズ・スティンガー。次世代シモンズに大胆なスティングを取り入れたもので、ミニシモンズの良いところをそのままにマッカラム・スタイルのドライブ&フロー、パフォーマンス性を向上させた進化をしているデザインです。
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Bob Mistven
匠ボブが最新版のミニ・シモンズとしてリリースしたのは、こちらのストリームラインド・ミニ・シモンズ。ミニ・シモンズの個性をベースにしつつ、余分な部分を削ぎ落とし、テールやフィン周りもより効率化した最先端のデザインです。スウィングウェイトを軽くしたノーズ、ボリュームを程よく削いだレール、ソフトなウィングとスカッシュテール、そしてなんといってもクワッド&ツインザーで楽しめるフィンセッティングまで、匠らしいセンスで最新化していますね。
ストック分の6’9”
こちらは自分がテストしているニューエボリューション・ノーズを持つデザインのストックです。
ユーザーのお客様からの情報から、ツインザー、tクワッドに加え
マッカラムのレイクのあるカッタウェイ・ツインだとツインで乗っても面白いということです。今週のお休みに試してみたいですね。
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Ian Zamora
(2009年にカリフォルニアの彼の工場に行った際の画像です)
ニューエボリューション&イアン・ザモラのコラボレーション・シリーズ。少量生産ですが、ユーザー様からの支持は絶大な各モデル。かつて弊店でも取り扱っていたザモラ、フィッシュフライ・ジャパンにブースを出したり、来日した理、自分がカリフォルニアへ行った際、彼の家に滞在させていただき、工場も見学したり、ハルやミニ・シモンズを販売したのが懐かしいですね。
そんなイアンとのコラボ・プロジェクト第三弾。ミニ・シモンズにウィング入りアークテールを持たせ、ツインザーでパフォーマンス性を持たせつつ、ボトムのレールにはエッジを入れたエッジボード・デザインでハイスピードも体感できるデザインです。ボトムはアレンジが2種類あるのが面白いですね。7本オーダーしたのですが、自分のテストようにともう一本作ってくれたので、自分はベージュの5’10”(オーダー分以外のカラーとレングス)にすでにテストライド済み。良い波で乗ったのでその乗り味は、間違いないことを確信しました。
ストック分は5’6”、5’8”、5’10”、6’6”、6’8”が2本と6’10”です。画像準備次第ご紹介して参りますので、よろしくお願い致します。
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Klaus Jones
ストック分の7’0”
クラウスの7’0”は、アークテールとハンドフォイルのキールフィンが雰囲気満点。ボトムはロールベースでフィン前からシングルコンケーブはがいるので、テール足のコントロール性以外はハル的な要素が感じられそう。ただしまんまるなロールではないので、安定感もしっかりとあるのが良いですね。