3/29/2013

Josh's shaping bay***

 先日発売された Blue. No.40 の中で、104P~107P の4ページに渡って Josh Oldenburg について取り上げられている。取材後にライターの冨田氏からその旨の連絡を頂いていたので、どのような取り上げ方をしていただけるのか、ジョシュ共々ワクワクしながら首を長くして発売を待っていた。内容としては自分がボードを販売して行くにあたりジョシュの魅力として説明したい事がぎっしりと詰まっており、まるで自分の思いを書いて頂いたかのの様にさえ思えてしまう。経験豊富なライター氏が書いて下さった事で彼の魅力が良く分かって頂けたのではないだろうか。冨田さん、ありがとうございます。
 自分も12月に渡米した際、誌面にも出ているジョシュの住まい(ガールフレンド、レキシーの実家)に1泊しじっくりと話をして来たのだが、あえて記事が出るまではそのときの画像を出さない様にして来た。レキシーの母が一人で住むには不便があるので今は彼女の実家に済んでいるときいたときは、ちょっと?マークも点滅したのだが行って納得。敷地や家の大きさはもちろん、家の様々な所が桁違いに巨大なため、一人きりではまず管理不可能である。玄関の大きな鉄とガラスの扉は高さ3メートル以上、広大なキッチンの周りには仕切り無しにリビング・ルームが3、4カ所あり、プールサイドには屋根付きと屋根無しの2つの本格BBQコーナー。外には小さなぶどう畑とワイナリーまで備わっている。それぞれにビジネスを持っているレキシーとその母だが、そこにジョシュが加われば様々な場面でとてもバランスが良く機能的であるに違いない。
 この今はジョシュの住まいともなっている広大な敷地内に物置を改装したジョシュのシェイプルームが備わっている。彼が日々忙しくボードを作り上げているマッカラムのファクトリーでは、シェイプをする時間を見つける事は不可能に近い。そのためこの家に備わっているシェイプルームでカスタマーに合わせた様々なタイプのボードがひとつひとつ大切に削られている。おおよそ仕上がったボードはブランケットに包まれファクトリーに運び、時間の空いている早朝に仕上げのシェイプが施され、後の行程も全て彼自身のハンド・クラフトで進められワン・オブ・ア・カインドなボードに仕上がるのである。

3/28/2013

one more shot***

  マッカラムのカラーリングに対する評価が高い事には理由がある。昨日も触れさせていただいたカラード・ホットコートではベースカラーに対するトップカラーのムラをサンディングで表現する為、レール周り、マークやパッチなどのレイヤーが絶妙な表現をしてくれる。通常マスキングしてラインを綺麗に出す所をあえてラフで自然なクロスの素材感を出そう事でよりナチュラルなムラを出している。シンプルな単色のオパークカラーにダブル・ピンラインのボードにはあえて後からサンディングする事で、一度ポリッシュで仕上げたボードに表面処理の変化だけでバンドをワンオフ。画像のようにアブストラクト・カラーにしてもひと味違う付加価値を感じさせる所も見逃せない。
 しかし高評価に対する一番の理由は斬新な技法によるものではなく、色そのものにあり、その色と色との組み合わせにあるのだと思う。例えばストックの中にいくつかあるブラウン・ティントのボードも、ウィスキーのようにコクと深みのある赤茶色だったり、枯れ落ちた落ち葉のようにグリーニッシュなブラウンだったり、サンディエゴの海に長く伸びたケルプそのものだったりと、それぞれに違ったブレンドがされている。そしてそれぞれのカラーに対するピンラインなどのチョイスが、思いもしない組み合わせなのにそれが何とも絶妙なマッチングをしているのである。そしてそこにそれを引き立たせる上記の様な技法を誰よりも早く彼のスタイルにしている。さらにはアレックス、ジョシュなど本場サンディエゴでも飛び抜けてスキルの高いスタッフが揃っている事で、常にクオリティーの高いサーフボードが出来上がり、結果シンプルなソリッド・ティントのボードですら美しく見えるのだろう。

3/27/2013

Jeff, you are the Man***

 出会ったときからいつも他と違う特別な何かを形にし続けているジェフ・マッカラム。自分が手に入れたシモンズは当時サンディエゴで唯一見つける事ができたもので、自分が購入した際ショップに立ち寄ったシェイパーやスタッフ他みんながストークして見入っていた。ベンチュラでハルの滑らかな動きとそのスピードを堪能した後、PBで乗ったクアッグにサプライズ。大きめのクアッド、しっかりと分かる程のボトム・コントゥアー、チャイムド・デッキからのレールデザインなどから、そのターン性能と加速御のスピード、そして意のままに動いてくれる事に快感を覚えた。デザインの大胆さばかりが目立ってしまうがそこにしっかりと計算された性能が備わっているのが素晴らしい。また細かい所にも拘りが感じられる。グラスループに施されるロープワークは見た目の美しさと強度が両立しているし、ポリッシュのボードの中に見られるサンデッド・バンドは、全てポリッシュし終わり完成したと思われる状態から再び部分的にサンディングが行なわれる手の掛けようである。ボードデザインについては常に先を見てデザインをしているため、結果彼の作ったデザインに似通ったものが後に流行する傾向があるようだ。L*7にそっくりなスクエアー系から両端がアークテールなど様々なデザインが溢れているが、L*7の性能の凄さはこのボードでなければ分からないだろう。最近特に良く目にするのがカラード・ホットコートのカラーリングである。これももはや巷に溢れ過ぎている気がするが、ジェフのボードデザインだからこそ引き立つ部分があるし、ゴールド、シルバーやパーリッシュ・カラーが含まれたものはまだ見かけていない。

"A sneak peak of a one we're working on."
"All Resin, All the time."
 Photo & Comment: @jmccallum
 先日も何か言いたげな含みを持たせたメッセージ入りの画像をジェフがアップしていたが、今日はこちらの画像をどうぞ。ジェフの新たなアイデアを形にしたカラーリングはもはや完璧なアートの世界。そういえばレジンワークにも拘りのあるジェフの工場にはスプレーによって色付けする様な装備は備わっていない。そしてジェフの様にカラーリングにも様々な技法を屈指して独自の表現をする事ができるのは、ボードビルディング全ての行程を自らがしっかりと理解しているからに違いない。ちなみにこのボードは5月頃にオープンする新規販売店様分として来月に入荷予定なので、しばらくショップでご覧頂く事もできそうである。



3/26/2013

*Next batch of McCallum***

 3月初旬に2週間のフィージー・タバルア島へのトリップから戻ったジェフ・マッカラム。戻ってからはギッシリ詰まったスケジュールをこなして来たようである。先週入荷した2月シェイプ分は6本中4本だけだったため、ストックボードは1本だけとなってしまっていた。
Shaper: Jeff McCallum 
Walls of his Shape Room
 トリップから戻ったばかりで忙しい中あまり無理な注文はいいたくなかったものの、ボードの不足は目に見えていた為、可能な限り遅れている2本はプラスでシェイプしてもらいたいとリクエストを入れていた。お互いを良く理解し合っているためその後は完成まで細かい事や途中経過には触れずじっと待つのみである。
 そして今朝いよいよ完成予定の連絡が入った。インボイスにはTJ様分&SM様分のリミテッド・シモンズ、そして新店舗様からのリクエストに合わせたカスタムが3本でカスタムオーダーが5本。ストック分として6’10”の1954、さらに5’9”のL*7(ノンフレックスのオリジナル版)と6’10”のC/Sで合計3本。つまり多忙な中リクエストどおりに3月枠6本の他に2月枠分の残2本もしっかりとシェイプしてくれたようだ。
 無理矢理一日に削る本数を増やしたりしない彼の事なので、休みを削って遅れた分のボードをシェイプしてくれたのだろう。ありがたい事である。ボードはこの週末くらいに完成予定、4月の第2週になれば空輸が完了し皆さんに御紹介出来ると思うのでお楽しみに。

3/25/2013

Oldenburg *Japan Exclusive model #2***

 以前少しだけお話しさせていただいたジョシュ・オルデンバーグの日本限定モデル情報。今日はその内容についてさくっと触れてみたい。
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 昨年発売されたSLIDEマガジン22号において、選ばれたカリフォルニアの8人のシェイパーがEvolution of Revolutionなサーフボードを作り上げそれを実証するという特集に参加している。
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 豊富な経験と豊かなアイデアがなければなかなかこういう企画に合わせたデザインを考えるのは難しく当然ベテランシャイパーが多い中、ジョシュはシェイプ歴2年という若手ながらも保なのシェイパーに臆する事なくアイデアを形にしている。
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 このレールの中にコンケーブを持たせた大胆なデザインは、若いときにサーフファクトリーで下働きをしていた中でそのヒントとなるボードを見つけており、その効果についても特集の中で説明されている。下働きの時代からこういった斬新なアイデアを温めていたところから常に研究熱心な観察力があり、2年程前には弱冠25歳にして既にそれを独自の理論でデザインし形にして行く技術が出来上がっていた事が良く分かる。

このボードはもちろん企画の中でライダーにより数ヶ月の間テストを繰り返されている。当初そのボリュームに抵抗を感じた様だが、乗ってみるとそのスピード、グライド&フローに魅せられるようになり、ロングボードのようにチーター・ファイブを決めてみたり、スプレーを飛ばしながらの大胆なスラッシュも気持ち良さそうにメイクしまくっていたようだ。
 こういった紙面上で実証されたワン・オブ・ア・カインドなレール・デザイン。これを彼が日本限定モデルにしてくれた。最近はスクエアーのボードをよく見るが、ジェフのL*7がきちんとしたサーフボードとしてモデル化された最初のボードであり、その乗り味がすばらしい事、更にこれが日本限定モデルである事などから、先輩に敬意を表しテストボードではスクエアーだったノーズはラウンドに変更されている。そしてこの手のアウトラインを見ればシモンズと思ってしまう輩も多いようだが、これはあくまでも違ったコンセプトから来たデザインであり、ジョシュはこのボードを「ヂュオ」と命名している。完成まであと少し。出来上がったボードを御紹介出来るまで今しばらくお待ちいただきたい。