8/10/2025

Mountaineering *2025-07 Nishihotaka-Okuhotaka Part-3***


 左上の画像。暗闇の中の出発から4時間23分。午前7時23分に天狗岳(天狗の頭)に到着です。いくつものピークを乗り越えてきましたが、赤岩岳、間ノ岳と同様、この山もご覧の通り瓦礫の山の様相ですね。
 右上の画像は、天狗の頭から来た道を振り返ったもの。間ノ岳とその向こうに西穂高岳姿もはっきり見えますね。間ノ岳から下ってきた厳しい切り立った稜線もよくわかります。
 左下の画像は、いよいよ先に見える稜線からコルへ降った先に姿をはっきり現したジャンダルムへの登り(見えているのは一段手前に立ちはだかる畳岩尾根の頭)。
 右下の画像は、山頂から前の画像で見えるすぐ前の稜線を一段降りた際、名残惜しく天狗岳を振り返った所。
 すでに高度感は麻痺していますが、汗をいっぱいかき、登った分だけ下り、そしてまたのぼりの繰り返しで疲労も少しずつ蓄積しているはず。こういったちょっとした下りもしっかりと3点支持の基本に忠実に進みます。



 左上の画像では、ジャンダルム側からの天狗岳の勇姿を振り返ったもの。厳しい道だけに今越したピークを何度も振り返ってしまいます。さあ、切り立ったリッジラインから今度は一気に天狗のコルへ急降下が待ち構えています。
 右上の画像のように目の前のリッジラインの向こうには畳岩尾根の頭(その先にもう一段登り込めばコブ尾根の頭、そしてそのすぐ先にジャンダルムが待ち構えます)。ただし、まずは一旦天狗のコルへ慎重に降ります。
 左下の画像のように急な下りですので、脆い岩を落とさない様に下りでは常に足捌きに神経を使います。
 右下の画像は天狗のコル手前、最後に待ち構える長い垂直の鎖の場面。本当に垂直です。こういった所で、自分は絶対に鎖に頼らず、確かな支点を3箇所見つけしっかりそれらを捉えると、身体を大きく斜面から離し、広い視野で下を見て次の確実な一手を正確に見つけます。こうして一つ一つのムーブを確実にクライムダウンしましょう。
 そして7時51分。天狗のコルに辿り着きました。ここまで急がずマイペースで4時間51分ですので自分としては十分良いペースです。ここから長い登りが控えているので、ザックを下ろし休憩タイム。



 左上の画像は、天狗のコルから岳沢へ一気に下る天狗沢ルートですが、ご覧のように足場が悪く、また左上の畳岩尾根から常に落石の危険があるため、今年から廃道扱いで登山地図からも抹消されるとか。自分は以前にガイドと一度下ったことがあるので、最悪の場合は下りる自信がありますが、今日はあくまで眺めるだけ。
 右上の画像は、コルで休憩しつつ撮った先ほど下った最後の垂直の鎖のところです。岩が赤茶っぽくなった人の通ったラインに上の方から長い鎖が所々顔を見せているのがわかると思います。
 左下の画像は、これから登る300m強のジャンダルムへの登りの出だしのルンゼ。
 まだ先があるので天狗のコルでしっかりと15分ほど身体をしっかりと休め、そして8時5分、いよいよ長い登りのスタートです。少し疲労が感じられますが、もうひと登り、頑張ってひと汗かきましょう。
 右下の画像は、コルから10分ほど登った箇所で振り返って撮ったジャンダルム側からの天狗岳の姿。山頂(頭)、歩いてきたナイフリッジの稜線、一気に降ったルート、そして最後の垂直の場面がハッキリと見て取れますね。





 今回の行動は完全なソロでの山行なので、画像では人影が無く、このルートの難しさがうまく伝わりません。今登っている登りでも、常に変化がありルートを見失うこともあるので、常に踏み跡を辿りつつ、時折マークを重ねわせルートが正しいことを確認します。ただし、なかなかマークが現れなかったり、道迷いの踏み跡も多いので、そういったところにも常に神経を使います。
 左上の画像のように鎖があると、それに頼らずともルート確認ができてとても安心感が得られます。
 右上の画像のように、矢印を見つけるとこんな所を行くのかと思いつつ、それが正しいことにやはり安堵しつつ、落ちないように確実に進みましょう。
 左下の画像は、いよいよ畳岩尾根の頭が登っている岩場の向こうになんと無く見えてきたところ。汗が止まらない、なかなかしんどい登りです。
 右下の画像は、だいぶ近づいてきた頭ですが、まだその先に登りがあるので、息が上がり始める前に安全な場所を見つけ軽く休みたい気分になっていたところです。
















 やっと安心して休める安全地帯を見つけ、5分ほどの小休止。汗を拭い息を整えます。もちろんエネルギーもチャージ。
 左上の画像は、休憩中に上を見て撮ったもの。上に姿を見せているのは畳岩尾根の頭でしょう。まだもうしこし登らないといけませんね。
 右上の画像は、コルから力を振り絞り1時間12分登り、おそらくコブ尾根の頭まであと少しの所へきたくらいでしょうか。振り返れば、西穂高岳からのいくつものピークが綺麗に並んで見えています。ここまでダイブ前進してきたことがよくわかりますね。
 そして9時25分。出発から6時間25分。コルからの登りでは1時間20分。ついにコブ尾根の頭に到着です。もちろんもう目の前に左下の画像のようにジャンダルムの姿。左隅に小さく槍ヶ岳。右には奥穂高岳の勇姿もしっかり見えていますね。西穂側からのジャンは、こんな姿。よく見ると山頂から降る登山者の姿も見えています。
 右下の画像は、9時38分。ついにジャンダルムの山頂(3168m)に立った時のもの。5度目のジャンダルム山頂に感無量です。もう先はある程度見えていますので、ここでザックをおろし景色を楽しみながらしっかりと休憩しましょう。
山頂では飛騨尾根から来たユーチューバーチーム、後から到着した後続の大学生2人、そしてこれから西穂へ向かう方と至福の時をシェアしました。