8/12/2019

One of my Dream Route *Kitakama-one Day1***

北鎌尾根から望む槍ヶ岳

北鎌尾根
 槍ヶ岳といえばいくつかのルートがあり、最後は槍ヶ岳山荘の脇から鎖と梯子を使い頂に上り詰める。北鎌尾根はバリエーションルートであり最後もクライミングで山頂に立つ、標高差1600m、長さ約4キロの長く険しい岩稜。もちろん途中には鎖や道標は一切ない。また小説のモデルにもなっている偉大な登山家、加藤文太郎や松濤明が冬季にこの尾根に挑み遭難死していることも北鎌尾根を特別なものにしているのかもしれない。今回のルートは北鎌沢出合からのものだが、そこですら一般道から遠く離れた谷の中にあり、一度挑めば途中撤退することがかなり困難なルート。現在の自分の技量では一人でルートを見極める自信がなく、山友と共に山岳ガイドに導いてもらった。




 8月6日 22:40。上高地へ向かうバスは東京駅八重洲口を定刻に出発。途中2回の休憩以外、しっかりと熟睡しているうちにバスは釜トンネルに。大正池、そして帝国ホテルを過ぎると上高地バスターミナルに7日 5:20をわずかに過ぎて到着した。
朝靄にかすむ穂高

 膝にキネシオテープを貼り、サポーターを装着しながらおにぎりの朝食。いつもお世話になっている青山ガイドと合流し挨拶を交わすと、登山届を提出し6:00上高地を出発。

8:18横尾にて荷物を降ろし休憩。そして9:56槍沢ロッジにて小休止。11:34大曲。
上の稜線まで黙々と登りこむ

ここから水俣乗越まで2キロの急登。この日は気温も高く背中に日差しを受けながら汗だくになりちょうど1時間で乗越にたどり着く。



そして下の見える沢の先の方まで今度はひたすら下ります

休憩をしてから今度はザレた急な下りから始まる長い下り。しかも休憩中から先に聞こえる雷。稜線にいるよりは沢の穂が安全ということで出発。足場がもろく難しい下りから無事ぬけ出すと目の前には雪渓。

急な雪渓の下り

鳴り響く雷の中、雪渓を下り始めるとついに雨がぽつぽつと降り始める。そして岩がゴロゴロした沢沿いを下る際には雨が強くなり雨具を装着するも急登で汗だくの上に雨に濡れ中がびしょびしょ。


道を導く青山ガイド


山友Oさん

 乗越を下り始めて1時間50分、14:31無事北鎌沢出合に到着。今晩はここにビバークし明日4時から北鎌尾根に取り付く予定。雷が止む気配もなく雨も強くなる中、とりあえず青山ガイドの3人用テントを張り、ずぶ濡れのまま中に逃げ込む。濡れても冷えないような行動着の上、気温も低くないので、雨が上がることを期待しつつ一杯やり食事をすることに。自分はプラティパスに入れてきた200mlのバーボンを少しづつ水で割り、香りでリラックス。モンベルのガーリックリゾッタはパックを開け、お湯を入れれば3分で美味しいご飯が完成。それからラップで包んできたアマノフーズ、フリーズドライのトムヤムクンも美味しかった。
 食事を取り終わりしばらくすると雨が上がったので、自分の寝床を準備することに。
 まずはSYさんにいただいたタイベックをグランドシートに敷き、ストックと軽量ポールを使いファイントラックのツェルト2ロングを張っていく。ペグが打てないことは聞いていたので、すでに準備済みの細引きを使い、石で固定し設営。中には結露対策でSOLのエマージェンシーシートを敷き、2分割の120cm軽量パッドと足元用の軽量梱包材を敷き、テラノバの防水透湿ムーンライトビビー の中にモンベルの寝袋を置けば寝床が完成です。

焚き火の準備をする青山ガイドとOさん

 次は焚き火をして衣類を乾かすことに。この日は自分たちのほかソロの方がお一人いるだけなので、みんなパンツとシャツ一枚の姿になり、雨具、シャツ、パンツから靴下やタオルまで、順番に乾かしていきます。行動着自体が完全に乾かせたことは安眠に繋がり翌日の行動にもゆとりができるので、本当にありがたかった。



 暗くなる前に湧き水で今晩と明日の水3Lを確保。明日予定について、電波がなく最新の天気予報も得られない中、もし明日も雷雨になった場合、稜線から槍の道ではいつでも雷を受ける危険があるため、出発時間を早め安全な時間のうちに槍まで行くことに決定。1時起床2時出発。自分は少しゆとりが欲しいので寝袋へ潜り込み00:30にアラームをセットして目を閉じた。



ビバーク装備について
 ツエルトは必要な防水のためのシームシーリングをし、そのために数回の設営もしているので、何も苦労することなく設営可能でしょう。あとはテンションの貼り方が均等であれば結露で苦労することはないと思います。荷物は全てUL防水スタッフバッグやジプロックの中、濡れに弱いダウンの寝袋も防水カバーの中なので、多少の結露で濡れることは想定内であり全く問題なし。北鎌尾根を歩くにあたり、ビバーク装備の軽量化は自分にとり必須。
ツェルトは細引きや自在を全て入れても400g程度。
寝袋は494g
カバー226g
タイベック135g
SOLシート80g
スリーピングパッドは99g
合計1.5kg未満。

通常の軽量テントの重量程度で全てまかなえてしまいます。寝心地はずっと同じ姿勢で寝ていると石の出っ張っているところが気になりますが、定期的に寝返りを打つことでよく眠れました。結露対策で少し開けていることなどもあり小さな虫が入りましたが、ムーンライトビビーには顔の部分をネットで覆えるので、これを閉めると問題なしでした。この装備で何連泊もするのは難しいでしょうが、こうしたコースでビバークしたり、一泊程度の山行では大いに使っていきたい素晴らしい装備ですね。