5/19/2018

ほぼ雪無しの残雪期*甲斐駒ケ岳*黒戸尾根往復 その1

修験道の道でこそ見られる絶景


 5月の山行は北アルプスの残雪期を考えていましたが、天候や日程から予定を切り替え甲斐駒ケ岳を黒戸尾根から往復することに。「日本百名山」の著者、深田久弥氏が「日本アルプスで一番きついルート」と言っている標高差2200m(累積標高差は2734mでした)、距離8km(実測で10キロ弱)を往復する道です。修験道の道なので随所に石碑などがあり、修験者や山伏の方々の行ってきた修行を思いつつ、自分自身も少しでもその一部を体感できればと一歩一歩を大切に歩いてきました。

尾白川渓谷にある竹宇駒ヶ岳神社 前宮で安全登山を祈願し登り始めます。

体幹や臀部、脚の筋肉を有効に効率よく使いながら、
美しい若い緑を楽しみつつ鳥のさえずりをBGMにまずは笹の平へ。
すでに汗が絶え間無く滴り中。

1時間半ほど登ると山頂が雲の向こうに見えてきました。
まだまだ先は長いですね。

笹の平で痛恨のミス。
ここまでのコースタイムは2時間半ですが、道標では下り時間1時間半の表記。
それを登りと間違えペースが遅いと思い込み少しギアを上げてしまいました。

刃渡り

3時間と少しで刀利天狗。
ここでおにぎりのランチタイム10分

その後も黙々とただひたすら登りこみます。
この日のすれ違いはは下山者2名1組と小屋番の方一名のみととても静かな山行。

途中黒戸山を巻くときに唯一の下りがあり、そして5合目に到着。
5合目小屋跡のひらけた場所なので休憩に良いスポットですが、今日は急に強風が吹き出したので先を急ぎます。


神聖な空気が漂う屏風岩の麓


ここからはハシゴや鎖が連続するエリアで、
一気に七丈小屋まで登りこみます。
そして7時間ほどのコースを5時間少々で無事小屋に到着。
普段よりペースを上げてしまったため最後が結構きつかった。。。


 小屋で宿泊の手続きをすませると、今日は自分だけだそう。空いている山が好きだとはいえ流石にちょっと寂しいですね。まずは自分にご褒美という事でビールタイム。そして夕食まで麓 北杜市の地酒を枡酒で美味しくいただきながらしばしの読書タイム。夕食をいただいた後はしばらく小屋番さんと楽しいひととき。外に出ると強風も落ち着き、上に綺麗な星空、そして下には麓の街が明るく輝いています。黒戸尾根もピストンで日帰りするか違い多いと聞きますが、普段忙しい日々を送っていればこそ、山でこうして贅沢な時間を過ごすのが自分流。明日は3時起床予定なので、7時半に消灯し寝床にもぐりこみました。


バイブレーターのアラームで3時過ぎ起床。夜中に喉の渇きで数回目を覚ましましたが、その度にまだこんなに寝る時間があると嬉しい気持ちでまた夢の中へ。おかげさまでたっぷりと睡眠をとることもできました。起床後は誰もいないため自分のペースで準備をさせていただき、少食のシーフード・カップヌードルを平らげ4時20分山頂を目指します。

小屋前から綺麗な朝焼け

8合目へ向かう雪面急登は最初つぼ足で挑みましたが、少し危険を感じたところでアイゼン装着。その後は快適に雪面と岩場を楽しみながら上へ。

8合目御来迎場では崩れ落ちた鳥居が
なんとも言えない雰囲気を出してくれています。

ここでもう一人いたテント泊のソロの方が合流。
このコースは初ということだったので、ここからはご一緒することに。
その後の急登部分はすっかり鎖が出ているので夏道で安心してハイクアップ。
そして最後は山頂を眺めながら気持ち良い登りでいよいよ山頂です。


山頂のすぐ手前のピークにも本宮が鎮座。
もちろん無事の下山などを祈願。

天候不良の予報の中きたのですが、まさかの快晴でまさに絶景です。






ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
ご興味のある方はその2をお待ちください。