11/04/2020

Autumn Mountains *Midori-Iwa West Ridge & Traversed Myougi Mountains***

 


 毎年春と秋に行っている妙義山ですが、この春はコロナウィルス の影響で登山は自粛。この連休は初日は青山ガイド&山友SMさんと碧岩西尾根に、そして翌日は久しぶりに一人で表妙義を縦走して参りました。


 連休初日、早朝の新幹線で高崎を経由し下仁田へ。三段の滝登山口から登山開始です。
昨年の悪天候で荒れ果てたままの道を進み、三段の滝へ。想像を遥かに超える立派な滝を過ぎると、西尾根の取り付きまでザレ場の急斜面を上り詰めます。

青山さんのリードで短いピッチの岩場をクライミング。レベルの高い箇所はありませんが、意外と考えさせられる箇所もあり、楽しみながら登ります。片側はスパッと切れ落ちたリッジの岩山ですが、木々が覆っているのでわかりにくいですね。

さてもうひと頑張り


(お腹が出ているのではなく、懐にグローブが入ってます。)
 快晴の暖かな山頂でお昼をいただき、何度か懸垂下降しながら波線の登山道から5時間40分ほどで無事下山。標高差が650m程度なので、ビールが美味しい位の程よいカロリー消費。SMさんとは次回は冬の赤岳、青山さんと3人ではアイスクライミング でしょうか。雪山も楽しみです。


 明日はソロで妙義山なので、妙義神社参道にある常宿「東雲館」に送って頂き一人宿泊。山岳ガイド御用達の宿で、独特な雰囲気のとても落ち着く宿です。お風呂で汗を流し、おいしいビールで喉を潤し、そして美味しい晩ご飯をいただきながら奥さんと世間話に花が咲き、9時に布団に潜り込むと窓が全開なことにも気づかず夢の中へ。
 金曜朝、障子の隙間から流れる冷たい風でアラームの10分前に目覚め4時に起床。ストレッチをし準備を整え6時宿出発。中ノ嶽神社まで車で送って頂き6:30に登山開始。


通ってきた中の岳と痩尾根

東岳から鷹戻し手前のルンゼと向こうに白雲山

相馬岳から茨尾根の向こうに金洞山


手前の鎖がビビリ岩
向こうに妙義富士の尾根とその先に相馬岳北稜



ご覧のとおり、上部は紅葉の見頃で妙義独特の岩山が綺麗に色づいていますね。ただし、美しさの裏には、厳しさが潜んでいます。



50mの鎖やルンゼ内2段25mの鎖




鷹戻しはトラバース後

急な鎖と梯子の合計60mを一気に下降

10m2本と30mの鎖


最後の奥の院ではトラバース後

4連30mの鎖
 画像が全てではありませんが、とにかく断崖絶壁の至る所に鎖があります。この日は10数名の方とすれ違ったり、山頂でご一緒したり。多くの方は良い笑顔でこの山を満喫していらっしゃいました。ですが、クライミング装備をしている方は僅かに2組4名だけでした。中には今日が初登山という女性をお連れの方もいらっしゃいました。山頂でお会いしましたが、既に危険箇所は全て通過後で山頂からはエスケープルートになる道で下山と言うことなので、人ごとながらホッとと致しました。。。

 ご覧のような看板が上部へ向かう登山口を塞ぐように、また危険箇所へ向かう手前にといくつも立てられております。装備はもちろん、技術も備えた上での登山を注意勧告する意味をしっかりと理解して登りたい山です。自己責任ですから人にとやかく言ったりすることはありません。また、最近はソロでの登山を推奨しない空気もあります。そんな中でも、自分自身はソロでの登山こそ究極と考え、リスク回避の努力をして挑んでおります。

 今回久しぶりにソロで山に入りました。ロープ確保での登山とはやはり緊張感が違います。
鎖にどうしても頼らないといけない箇所もあるのですが、そうした場合もあくまでも2点岩+1点鎖でクライミングのムーブを意識し丁寧に一手一手を捌き、鎖のない手強い箇所はミスのないようにより丁寧に行動。危険箇所での撮影ではセルフビレイ(固定して安全確保)も怠りません。相馬岳山頂で30分のランチ&コーヒータイムを楽しみ、合計7時間かけて急がず慎重に緊張感を切らさないようにしつつ、表妙義をたっぷりと楽しんできました。最初と最後には神社で安全登山の祈願と御礼、またより精進する事を誓い、無事宿に到着。


 青山さんとの登山での自分への甘え。難しく厳しいからこそのソロの重要性。まだまだ見えない下りで靭帯の切れかかった膝への負担を和らげるベストなポジショニング。ルートファインディングなどなど。まだまだ課題はたくさん。最近読み返している「光圀伝」の大好きな言葉に武蔵が若き日の光圀に与えた「天と地の狭間にあるもの悉(ことごと)くが師だ。」と言う言葉があります。青山さん、SMさん、東雲館のお二人はもちろん、妙義山、紅葉の木々、更に妙義でお会いしたりすれ違ったりした皆さんからも沢山のことを学ばせてもらっているのだと思います。これからも日常はもちろん、海で山で技術を学びつつ、人として少しでも成長できるよう精進していきたいと思います。
Keep Mountaineering!