9/29/2021

Mae-hotakagake North Ridge Route Day-2***


8月に穂高岳山荘付近で撮った前穂高岳北尾根
穂高岳のクラッシックルートの一つ

 一番右に聳え立つのが前穂高岳山頂(P1=ピーク1)、そしてそのすぐ左脇に続くように並ぶのがP2&P3。いったん切れ落ちて左に尖ったP4、さらに左にはなだらかなP5。真ん中の縦に長く伸びた雪渓の左脇がP5&P6のコルへ登るルート。そして中央右にはP6、7、8と続きますが、現在は5&6のコルから登るのが北尾根の主なルートになっております。


朝日にやける穂高と涸沢岳

 9月16日。2日目、朝3時。バイブアラームでサクッと目を覚ますと、そっとストレッチ&着替えを進め、4時の出発予定時間を少し過ぎて準備完了。その後、各自トイレ確認や山友のちょっとしたトラブルを解消し4:29ヘッドライトの明かりを頼りに小屋を出発。雪渓下のゴロゴロの岩場をトラバースし、P5&P6のコルを目指し急登を黙々と登ります。1時間ほどするといつの間にか足元が明るくなりヘッドライトを消灯。今日も昨日同様、急な登りの程良いしんどさが心地よく、出発から1時間7分ほどで5&6のコルに到着。そして振り返るとご褒美の見事な朝焼けです。手袋を外すと指が痛くなるので気温を見ると5度。冷たい乾いた空気の中、槍から穂高岳が綺麗な色に染まる壮大な美しさがたまりません。ここでゆっくり朝食休憩をとり英気を養います。





P5への登り

 ここからは安全確保のため前穂高岳山頂まで一本のザイル(ロープ)で繋がっての行動。まずはこの五峰の登りです。それほど難しい上りではないのですが、至る所の岩が脆く、落ちそうだったり、割れそうだったりで、簡単な箇所が意外と嫌らしかったりなので、落石による崩落を起こさないように、手も足もしっかりと確認してより一つ一つの動きを慎重に進みます。

五峰のピークから眺める4峰とその向こうに3峰



これがP4へ道


P4途中から振り返ってみるP5

楽しくてアドレナリン出まくり
ウキウキして余計なこと考えていると、痛い目に遭うので、
邪念が湧けば即リセットし、集中力と緊張感を保ちつつ、
一つ一つのムーブをしっかりと楽しみます


この高度感の中、最高に楽しいクライミング

そしてP4
後ろには常念岳の勇姿も見えますね

 四峰への登りでいよいよクライミング要素がアップ。いくつかのピッチをビレイで滑落防止ができる体制で登ります。ちょっと難しかったり嫌らしかったりで、楽しさ倍増の中、無駄なゆとりや邪念が芽生えればミスをするので、楽しさの中にも常に緊張感を持って集中、集中。




P3への手応えのありそうな登り




三峰への登りの途中から振り返った四峰
下り後半がちょっと嫌らしかった。。。





P3への登りルートは難易度を上げて
何箇所か手数が足らずホールドの取り方に悩んで登るので
手応えがあってかなり面白かった

その証拠に上の画像をアップにするとこの笑顔。。。笑


いつでも振り返ればこのパノラマ
槍からの稜線には南岳、大キレットのこちらに北穂、そして涸沢岳、左端には穂高岳山荘。
右下の方には涸沢小屋の赤い屋根。


本当に



堪らなく


最高!

 時折安全なコルやピークで水分補給の小休止も取りつつ、いよいよ一番登りごたえのある三峰への登りです。側面には本格的なウォールのクライミングルートもあるようですが、リッジルートの中にもいくつかのルートがある中、一番手応えのあるルートで。出だしから2箇所ほど考えに考えないと進めないので、SMさんと一緒に考え探って登るのが難しくも面白い。また、途中幾度となく振り返ってみる槍からの穂高のパノラマがたまらなく美しくて、空気をより美味しくしてくれるんです。2ピッチほどは、熟考のセクションがあり良い勉強になりました。そのほか程良く楽しいクライミングでついにP3に。


ナイフリッジの通過にちょっと慎重になる山友


簡単な懸垂降下をすれば

気がつけば10:20前穂高岳山頂に到着
 
 P 3から前穂高岳山頂(P1)へは、最後に短い懸垂降下を交えあっという間に到着。一般道から山頂にいらした方々から祝福されつつ登りのミッションはコンプリート。最高の天候の中、ゆったりとした時間を過ごしました。


岳沢小屋から見上げる前穂高

 ここからは重太郎新道(一般登山道ですが一応ヘルメット推奨ルート)をひたすら降ります。綺麗に整備してくださっている階段に感謝しつつ、バウアーファウンドの膝サポーターとソルボセインのインソールに助けられ、膝の痛みのない下りをじっくりと味わい、2時間ほどで岳沢小屋に到着。ここでコーラで乾杯。山で飲むコーラ(普段は飲みませんが。。。)は旨い!「SMさんご馳走様。」そして膝痛が出ないことで今までで初めてペースを一気に上げて14:55に河童橋に戻りました。運良く帰路も東京駅行きのグリーン車のバスに間に合ったので、車内で軽く飲んで一寝入りしたあとはのんびり本を読んでいるうちに東京へ。充実の二日間に感謝です。

 8月の意味不明なほどの身体の不調。今回の山行で自分の身体を再確認するべく、いつも通りのトレーニングも怠らず登ってきました。結果として、今まで以上に快適な登山ができ一安心です。また、前回から取り入れたインソールとサポーターの効果が絶大で、痛みのない下りにより、山を下ることの楽しさも再確認できました。まだまだ、足運びも満足のいくものではなく、課題はしっかりあるので、次へ向けて更に精進しなくてはいけません。
 そして今は肘の靭帯のトラブル再発に悩まされています。自転車をのちあげる際に痛めたのですが、なんだか部分断裂が広がったような嫌な感じがしているので、今度PRP療法や温存でない方法での治療も視野に病院を選んで行ってみようかとも考えております。