7/02/2024

2024 May 30&31 *Kaikomagatake Kuroto part 2***

1) 甲斐駒ケ岳山頂。2967m。黒戸尾根は日本三大急登の一つで、標高差は2197m。距離は往復22.78km。実際の獲得標高差は新しいガーミンでは2475m(以前のものでは2600m前後)と他になかなか得られない標高差がある厳しい修験道の道です。
 最近はトレールランニングで日帰りする方も多いようですが、自分は修験道の道をしっかりと踏みしめ、その時その時目に入る風景を目に焼き付け、便利で快適な現世の空間とは少しかけ離れた山小屋で不便(*)を有り難く感じながら、一つの山行自体をより充実したものにしたいと考えております。
 (*)例えば、七丈小屋では豪雨だろうと吹雪だろうとトイレに行くためには一度外に出て歩かないといけないのです。



2) 前回の日記の続きです。
 13:07。登り出しから7時間ほどでいよいよ9合目までたどり着くことができました。9合目の手前では、クライミングに夢中になり水分補給を怠ったため、脱水症状気味で一瞬まさかの失速。即ハイドレーションで水分をたっぷりとり、9合目の広場で休憩をして最後の力を振り絞ります。
 9合目から少しなだらかになったトラバース気味の道をしばらく進むと、なんと山頂が遠くに見えてきます。山頂が見えて仕舞えば、一気に元気倍増。そしてついに14:34。西峰に到着しました。

3) さらに14:39、山頂に到着です。さすがに疲れましたが、二人とも喜び一入(ひとしお)。雲の上に顔を見せてくれる山並みや下界の景色が疲れを癒してくれます。20分ほど貸切の山頂を堪能し、夕食までに七丈小屋まで下りましょう。

4) 焦らず一歩一歩丁寧に下りの景色を味わいつつ、9合目手前では空を羽ばたく雷鳥の姿。珍しく空を羽ばたく雷鳥の姿に気分上昇。ルンゼでは鎖は使わずクライムダウンを楽しみます。

5) 下りは早いもので、山頂から50分ほどで八合目のご来迎場に到着。ここで少し休んで最後に下り込み、16:34。無事七丈小屋に戻りました。
 初日の行動時間、10時間4分。距離13.22km。登り2325m。下り744m。さすがに疲れましたが、今までと違った充実感も得られ大満足。小屋では急いで着替えまずはコーラで乾杯。そして美味しい夕食をビールと共にいただきました。この日、小屋はなんと貸切。食後は消灯時間を過ぎても担いできたバーボンをお湯割で飲みつつSさんと語り尽くしたました。

6) 山小屋は防音などの対策をとった住宅と違うため、夜中、目を覚ますと外の風雨の音が耳栓をしていても気になるほど。朝起きて準備をしつつ、お弁当の稲荷寿司を頬張り、栄養剤のゼリーを飲みつつ、雨対策の装備を整えると、6:15、小屋番さんにお礼を述べ下山開始です。
 雨で濡れた鎖場やハシゴは丁寧に対応する必要があるものの、かえって難易度が上がって面白く感じさせてくれるので、身体さえ濡らさなければ意外と楽しい。

7) 5合目の小屋跡まで来ると雨も小降りになり、登り返しは汗をかき過ぎないようギアを落として小刻みにゆっくり進むことであっという間でした。刀利天狗で栄養補給しつつ膝を休めます。

8)  刃渡りまでの快適な道。そして八丁坂の下り。さすがに膝が熱を持った感じになってきたので、時折膝を休ませつつ、11:40。ついに登山口に到着しました。今日は5時間32分。総上昇量151m、総下降量1729m。距離9.55km。昨日の行動量が多かった分、今日は割と楽な感じでしたが、やはり下では油断をすると右膝に痛みが出そうなので、Sさんの気遣いで最後もしっかりと休憩を取れたのが良かったですね。自分にとっては6度目の黒戸尾根でしたが、何度登っても長く遠い厳しい道であり、何度上っても違う表情を見せてくれる、そしてたっぷりの充実感を味わうことが出来る素敵な道です。Sさんもまた期待と言ってくれているので、ぜひ寒くなったら登りたいと企んでしまいますね。

 このあと30分ほど歩いた日帰りの温泉に入って、美味しいビールで乾杯して帰路につきました。

 元々肩の故障のリハビリからトレーナーの指示でコアの強化の一環として取り入れたウォーキング。コア、骨盤の角度などを意識して歩くトレーニ具は、いつしかハイキングになり、そこでみた岩登りや岩稜帯の登山へと進化してきましたが、基本は一緒ですので、こうして山に登ることは、コア、臀筋脚部の強化とバランス感覚の向上に伴い、サーフィン時の軸の安定によるターンの質の向上が見られ、またフィンやボードに伝わる波からの情報をしっかりと感じ取ることが出来るようになっております。もちろん日々のトレーニングも大切ですが、こう押したクロストレーニングはそれそれを楽しみつつ相乗効果が見られるのが魅力ですね。

Keep Climbing!!!