8/15/2016

Northern Alps Day-3***

 槍穂高縦走三日目。朝4時起床。ストレッチ後朝日を見に小屋の前へ。常念岳の向こうに昇る朝日に力をもらい、これから向かうここ南岳小屋から北穂高岳までの切れ落ちたナイフリッジの稜線をじっくりと眺めてみる。大キレット入り口に立てられた看板には、「重大事故多発。難易度スケール共に日本屈指のハードなルートが続く。天候体調装備を再確認の上、気を引き締めて。無事の通過を願います。」と書いてあります。一般登山道としては最難関と言われていますが、ここが一般登山道ということが信じられないという意見も多いよう。さて5時からの朝食をいただき準備をすませると小屋に一礼していざ出発です。

朝日に染まる大キレット。

朝日に今日一日のエネルギーをもらいます。




小屋から獅子鼻岩を回り込み一気に300mほど下ります。

鞍部に下りるとしばらくリラックスしながら歩きます。
そして行く先に見える長谷川ピーク、飛騨泣きと北穂高岳への最後の急登。

先行する人が見えるでしょうか。
こちら信州側は朝日に当たり穏やかな表情ですが、
飛騨側は昨日の雨が日陰で乾かず完全にウェット。しかも断崖絶壁。。。

 長谷川ピークからは、難関をクリヤーすべく三点支持を確実に守り進みました。指ぬきグローブはビシャビシャで写真を撮る余裕がなかったというか、黙々と進んでいたらA沢のコルまで来てしまいました。


大キレットの雰囲気を感じてみたい方がいらっしゃいましたら 
"Youtube 2016 大キレット 長谷川ピーク”
”Youtube 2016 大キレット 飛騨泣き”
でグーグッていただき、動画をご覧になってみてください。
自分には関係のない方のものですが、雰囲気はよく伝わるのではないかと思います。
(投稿者様ありがとうごいます)


ひと休みしながら先行する方々を眺めます。


飛騨泣きを超えてだいぶ先行する方々に追いついてきました。


来た道。

 最後の岩場の急登はクライミングを楽しむ気分でワンステップずつ進んでいくことで、楽しみながら登れました。ステップもしっかりと確保して昇ることで落石は回避できます。やはり一番怖いのは他人の落とした石。ヘルメット着用の主な目的はやはりこれですね。この日は人も少なく落石もなく緊張を保ちながら3時間弱でまずの目的地北穂高小屋に到着。近いタイミングでゴールした皆さんと喜びを分かち合い自分にコーラのご褒美。ここで長野県警の山岳警備のお二人に五度の再会。みんな県警に知り合いがいるのかと驚いておりました。。。笑


 この先涸沢岳までのコースも実は大キレットに劣らずの難コース。北穂高岳では滑落者が手を血に染めて県警のお二人に応急処置を受け始めていました。あまり緊張感の必要のなさそうなところで10mほど落ちたようです。おかげでコースの始まりからまだ鮮血が点々と岩や土を染める道のため、緊張感もより高まります。実際核心部の数はこっちの方が上だっったのかもしれません。南岳小屋でご一緒だったソロの方とそれぞれのペースで進みながらも小休止を何度も一緒にさせていただき、この山行の厳しく楽しい気持ちをシェア。こんな一期一会の出会いも山の楽しさかもしれません。

先行する登山者をチェックしコースを確認しながら進みます。


ここでも。

最低コルから涸沢方面。

もう一息。

 今日のゴール手前、涸沢岳山頂ではご一緒したソロの方、そして室堂からテン泊で縦走してきたUさんガスの中でしばらく談笑。皆さんキレット越えからの仲間で世代も近く、この後は今日の宿穂高岳山荘前でUさんにパスタをご馳走になりました。この日の行程を振り返りながらビールとともに頂いたジェノベーゼの味が忘れられません。ごちそうさまでした。
 穂高岳山荘は大きくて綺麗な山小屋。ランチ後宿泊の受付を済ませ、さらに集まったキレット越え仲間達と軽く談笑。ランチをご一緒した2名ともうひとかた超健脚の青年の3人は、明日日の出前出発でジャンダルムを越え西穂高方面へ向かうそうです。自分もこの勢いでご一緒したかったのですが、バスの時間があるため不可能。予定通り奥穂高岳、前穂高岳に登り上高地を目指します。ああ、風呂に入りたい〜。。。苦笑