毎年恒例の雪山第一弾ソロでの赤岳登山ですが、今季は雪不足から12月の山行は断念。この23日&24日に連休をいただき、やっと雪山に登ることができました。初日の雨。翌朝の快晴。山頂の強風。そして下山時の。。。とギュッと詰まった2日間の山行日記、よかったらお付き合いください。
地蔵尾根の頭付近から赤岳天望荘と赤岳
当初の予定では初日に阿弥陀岳から赤岳、また赤岳に登り山頂から少し下った所にある赤岳天望壮にお世話になるつもりでしたが、生憎気温が高く気絶はずれの雨予報なので、初日は美濃戸口から赤岳鉱泉(山小屋)までに。結果ランクルで夜、東京を出発する必要がなくなり、早朝の特急を利用し、車内での時間を利用しのんびりと本を読みふけることに。
自宅最寄りのバス停から錦糸町まで都バスで向かい、一日1往復だけしている千葉発着のあずさに錦糸町から乗る事で、混雑する新宿駅をスルー。6時過ぎに自宅を出発し、茅野駅に10時少し前に到着。そしてタクシーで美濃戸口へ。天候は雨。通常この季節なら雪のはずなのですが、気温が高過ぎます。。。美濃戸口の八ヶ岳山荘でコーヒーを頂きながら雨装備で準備を進め、10:42出発。
まずは、林道を赤岳山荘まで黙々と登ります。想像以上に暖かいため、汗が止まりません。足元のわだちを雪解け水が川のように流れています。まだ一月なのですが。。。
11:28。赤岳山荘到着。今日は急ぐ旅ではないので、ここで30分の昼食休憩。山菜蕎麦をいただきます。そして小屋のお母さんが作る、美味しい野沢菜を帰りに買わせて頂くように話しておきます。
南沢と北沢の分岐からは北沢の林道をさらに堰堤広場まで黙々と登り、ここから沢沿の登山道に。
沢の左側、右側を行ったり来たりしながら、今日の宿赤岳鉱泉までトレッキング。去年の台風でかかる橋がいくつも流されてしまいましたが、山小屋の皆さんの努力でこうして安心して進むことができます。「ありがとうございます。」
赤岳、そして鉱泉という名前が示すとおり、沢は濃い赤に染まっています。
もうひと頑張り
今日は1509mから2229mまで高度差720mの登りで、距離は6キロ少々ですが、汗とここまで続く小雨の中、楽しくてウキウキになる時もあったり、しんどく感じる時もあったり。
13:43。ついにアイスキャンディーのある赤岳鉱泉に到着です。ここまで3時間。赤岳山荘からはあえて休まず進んできたので、実質2時間半。コースタイム3時間のところ、雨模様の中ゆっくり休まずで進んできたので、良しとしましょう。
小屋ではまずは濡れたハードシェル他ギアを全て食堂のストーブの前にかけてから、受付。そして小屋着に着替えてインナーまで全てを干します。この日の宿泊は雨ということもあってかガイドさんとプライベートのゲストの組み合わせが4組と自分で合計9名。のんびりできますが、話し相手がいない。。。軽いストレッチをした後は、ラガー、そして缶チューハイをいただきながら読書タイム。伊能忠敬の「四千万歩の男(全5巻)」の後なので、少し軽めの「鬼平犯科帳」1巻と2巻を読み進めます。
18時、夕食です。ステーキ、カツ煮などお肉のメニューが大人気の赤岳鉱泉ですが、お肉を食べない自分用にお魚メニューにしていただきました。一手間かけたサラダ、身がしっかりしたあじ、そしておでんをおつまみに3杯目のアルコールをいただいていると、なんと、今日は特別に「かに」がサービス。赤岳鉱泉、最高です!山で美味しい蟹がいただけるとは、なんとも感激。思わずもう一杯日本酒を頂き、美味しい食事を堪能。締めのご飯は、醤油をかけた大根おろしで半分、そしておでんの卵を解してまぶしていただきました。
昨晩、準備などで遅くなり睡眠時間が少なかったため、8時半には夢の中へ。
思いの外、暑さに悩まされながらも、9時間ほどたっぷりと休み5時半起床。昨夕濃い霧に包まれていたので、心配しながら外へ出てみると満点の星空。あまり霧が濃いようなら途中撤退も考えなければならなかったので、テンションが上がる中、サクサクと準備を進めます。朝食も美味しくいただき、ひととおり装備確認を済ませると小屋の皆さんにお礼を言って、快晴の中、いざ出発。(ちなみに朝6時の時点で気温マイナス5度と、かなり暖かです。)
気温に合わせ上半身は厚手のウール・ベースレイヤーにパタゴニアのR1フーディーのみ。7時16分。行者小屋で出会った人と軽く情報交換。彼は中岳沢から阿弥陀岳を目指すそう。
自分はこのまま中岳沢から阿弥陀岳への分岐までこのまま冬靴&ストックで進みます。一人分の壺足跡があるので助かります。先行者に感謝。(この有り難さを後で実感することになるのですが。。。)そして分岐にて足場を作り、ヘルメットを装着、そしてアイゼンとピッケルにチェンジ。ちなみに自分はピッケル にリーシュは付けません。(これは賛否両論ですので、必要と思う方は是非付けてください。)
いつも辛い樹林帯の急登は難無くクリヤー。そして直登部も時に前爪で、また時にサイドステップでと、斜面に合わせ黙々とステップを刻み、一歩一歩しっかりと足場を確認しながら。上部から2名降りてくるのが見えますね。ここから上は、毎度の強風地帯なので、比較的緩やかな場所を見つけると、インナーブローブを厚手に切り替え、またハードシェルを着てフードまでしっかりかぶります。
山頂方面の岩が美しいですね。あっちから登りたい気分ですが、ソロでは無理ですね。
いつもながら一番しんどいところです。喉が少し乾いて来ましたが、風が強いのでまだしばらくポットのお湯は我慢しなければなりません。
上部稜線の中岳との分岐から、登って来た文三郎尾根と行者小屋を振り返ってみます。赤岳鉱泉から装備変更時に水分と軽いエネルギー補給をした以外、撮影とジャケットをつけた際止まっただけで休むことなく、そして急ぐことなく、丁寧に登って来ました。また行者小屋を過ぎてから出会ったの先ほどの二人だけ。この景色をほぼ一人で貸切です。(結果この先も貸し切りのままですが。)ここからは強い風に立ち向かいながら岩と雪のミックスを山頂まで登り込む上りのクライマックス。さあ山頂まで後ひと頑張り。
つづく