1/27/2020

Akadake at Yatsugatake Mountains *Solo Jan/2020 Part-2***

山頂まで後ひと頑張り

 雪は締まっていていい具合ですが、風がちと強い。。。いつもは楽しい岩と雪のミックスも、今日は風が強く早く山頂にたどり着きたい気分。しかしこの景色を独り占めとは、昨日 雨の中、頑張って行動したご褒美ですね。

分岐の標識にエビの尻尾


行く道

赤岳 2899m
 最後に雪に埋もれた短い梯子を登ると9:48、ついに山頂です。赤岳鉱泉から2時間半ほどでたどり着きました。予報では午前中は曇りだったので、快晴の中の一人きりでの登頂、そして貸切のこの景色に感慨無量です。しばらく景色を楽しみたい所ですが、風が強いので右側の赤嶽神社に安全登山をお祈りし、地蔵尾根の風が交わせるところまで行ってから休むことに。

神社がある赤岳南峰から眺める赤岳頂上山荘(冬季休業)のある北峰


誰もいないので自撮りしてみました


今度は北峰から南峰を振り返る

 風に煽られながらも重心を低くし山頂からの急斜面を下り、赤岳展望荘を通過。現在展望荘が営業してくれているので、いざ風が強まり動けなくなっても安心です。今日の下山ルート地蔵尾根の頭までもう直ぐ。
 

 極寒の中でも、お地蔵様がしっかり見守ってくださっています。

 が、ルートを見るとトレースが全くない。。。スキーならパウダーと喜んじゃうところでしょうが、下山するにはいかがなものか?!2年前の冬この尾根から上がろうとした際、同じような状況で撤退し、文三郎尾根から登り直したことがあり悔しかった記憶が。。。そして、夏の北鎌尾根でコース通りに登るのではなく、いかに確実に頂上にたどり着くかが大事ということを学んだので、今日はここを進むべきと判断。いざ出発です。

 上部は所々鎖や、支柱の鉄杭が出ているので、上手くルートをつなぎ合わせながら進みますが、途中吹き溜まりや急な部分では深みでは腰以上、ただしほとんどモモの付け根で止まってくれるラッセル。ツボの底に足場を丁寧に踏み固めて作り一歩づつ進むも、先がどこにつづくか見つからず行ったり来たり横に斜めに移動し、確実なルートを見つけるまでじっくり考えます。下部まで大きく切れ落ちているわけではないので、危険ではないと判断するも、斜面によっては雪崩も考慮にトレースの入れ方には最新の注意をしてみました。(本気で考えている時は写真のことなど考える余地なしなのでシリアスな斜面の写真は無しです)とにかく行者小屋は見えているし、樹林帯の下部もはっきりしているので焦らずゆっくり前進あるのみ。

こうした先が見えるところは気は抜けませんが、気持ちはとても楽ですね。

 樹林帯が近づくと、雪の下に微かにトレースも出て来たので、後はただ下るのみ。熟練者の方にはこれ位は大したことではないでしょうが、自分には良い経験でした。
 そして11:00、無事行者小屋に到着。気がつけば登り出しから水分補給していませんでした。ここで装備を解いて、栄養補給とたっぷりのお湯を呑みましょう。25分の休憩後、11:44、赤岳鉱泉。ここでコーラのご褒美。美味い!デポしていた余分な荷物を詰め込み12:22出発し、沢沿いと林道を下ります。

 沢沿い中盤から林道は昨日溶けた部分が凍ってスケートリンクのよう。アイゼンをつけるほどではないので、うまくよけながらテンポ良く進みます。13:32、赤岳山荘に到着。お茶と野沢菜をご馳走になり、野沢菜を2袋買わせて頂き、25分の休憩後、さあもうひと頑張り。

 今はシャーベット上ですが夜にはこの林道もアイスバーンに。ランクルでもチェーンが必要です。14:40、登山口の美濃戸口に到着しました。帰りはJ&Nでお風呂に入らせて頂き、ご褒美のビールとカレーをいただいてから、帰路につきました。


 自分にとって、山は海とはまた違った魅力があります。あまりにも便利すぎる現代の中で、あえて不便な環境を得られる特別なところ。自分の足だけを頼り登り確実に下山する事が絶対であり、あって当たり前となっているスマホを断つ事が出来き、そして特別な場所にあり、理由あって制限の多い山小屋だからこそ、そこに小屋があるありがたさを実感。(テントが理想かもしれませんが、前十靭帯が切れかかっている自分には、重いテント泊装備はできません)こうして山に入るとじっくり自分を見つめ直す時間が持て、メンタル・トレーニングにもなり、また体幹、臀部や脚部の良い反復トレーニングができるため、結果、普段の生活、ただ歩くという行為からサーフィン時までプラスになることばかりです。

 以前にも書かせて頂きましたが、千日回峰行の慈眼寺住職のお言葉が全て。「歩くことで自分の限界を知り、歩くことで自らを成長させて来ました。」さらに「限界を感じ、死に直面することで自分がちっぽけな存在であることを自覚。至らなさを感じ反省することで謙虚な心が芽生え、大きくなれる。謙虚さは日々出会う人々に対する敬意と感謝する心をくれます。そして互いを敬いながら楽しい時間を共有した時、人は幸せになれるのです。」少しでもこの言葉の重さを実感できるよう、回峰行とは比べ様もない自分の些細な山行ですが、少しずつでも成長して行ければと思います。

Keep Surfing! & Keep Climbing!