9月15日から17日の3連休は、北アルプスへ行って参りました。自分にとって今や山はなくてはならない存在であり、普段からトレーニングを積んだ上で、山に登ることで体力、精神力、そして免疫力のアップに繋がると考えております。今回も感染対策を徹底した上でマイバディーAYガイド&SMさんと北穂高岳東稜&前穂高岳北尾根へ向かいました。
9月15日 11:18
涸沢小屋に到着
北アルプスへ向かう夜行バスは、換気の徹底を行なっており、また3列フルフラットのグリーン車で乗車人数もこの日は10名程度と少ないので、安心して睡眠を取りつつ上高地へ。翌朝5:15上高地に到着。早速、人もまばらな上高地バスターミナルで準備を済ませ、5:45にいざ出発。今回初日はSMさんと二人で涸沢小屋を目指します。あれやこれやと会話を楽しみながら、明神で水分補給。そして徳沢で朝食を済ませ、横尾から涸沢方面へ。本谷橋で一休み後は涸沢まで割と本格的な上りになりますが、今日は登り込んでも足も軽く、程よい汗をかきつつ、あっという間の5時間30分で涸沢小屋へ到着。
実はこの軽快な足取りと息が上がることなく登れる事がとても嬉しかったのです。
8月に歩いた槍、大キレット、北穂、奥穂の道では、初日の暑さから塩分不足による発汗過多、そして今思い返してみればワクチンによる副作用による倦怠感により、水分自体はたっぷり取りつつ、また行動時間自体が自分の予定より遅れているわけではなかったものの、この時は今までで初めて、山行を全くと言って良いほど、楽しむ事が出来ませんでした。
本来、心身を鍛える目的で、長く、時には険しい道を歩いているはずが、無意味な山行になってしまい、情けなさに苛まれておりました。
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1ヶ月と少し前
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8月4日
5:36上高地出発。横尾からの登り出しで北アルプスと思えないほどの暑さに戸惑い、槍沢を過ぎてからは日差しと暑さにより多量の汗。いくつかの沢にて美味しい天然水をハイドレーションにたっぷり補給しつつも、1500mほど登りヒュッテ大槍に13:36に辿り着くまで、ずっといつもでは考えられない多量の汗と急騰での上がり気味の呼吸に悩まされ続けてしまいました。今まで経験したことのないコンディションです。
翌日
8月5日
8月。北穂から見る今歩いた大キレット
翌朝は4:25に小屋を出発し、槍ヶ岳に登り、そして今日は穂高岳山荘までの縦走。4時間後8:26南岳小屋にて大休止。ここまでも簡単な登りで汗と息苦しさ。。。 大キレットではたったこれだけの高低差にメンタル的に苦しめられ、そして楽しいはずの急な岩場では、やはり息が上がり汗が止まらず。ただただ早く北穂の小屋に辿り着くことだけを考えてしまい、本来楽しいはずの急な岩場がしんどい。。。
同じく8月5日
涸沢岳への登り
途中幾度か入れ違ったりした山の大先輩と北穂から穂高岳山荘までご一緒していただくことで、なんとか登る事ができた涸沢岳への登りも、普段は緊張を保ちつつ、一手一手楽しんでいたはず。ここは会話を楽しむ余裕があり、だいぶメンタル的には楽でしたが、体調自体は変わらずでした。2日目の行動時間は9時間25分。身体が動かず、行動時間が大幅に狂うようならいつでも下山するつもりでしたが、2日目までは、しんどい中でも時間的にもコースタイムより早く予定通りの行動でした。
ここまでを振り返ってみます。日々のトレーニングで脚も強くなり、切れかかっている靭帯をカバーできていたはずが、もう山には登れないのではないかと思えるほど、自分の中では未だない惨めな二日間。他の方から見るとそれほど問題ないようで、3日目に同じゴールを予定している大先輩は、明日も一緒にジャンダルを超え西穂に行きましょうと言ってくださいました。本当に嬉しい一言です。ただし、自分の判断では、今回の体調と2日間の未だない不思議な疲労感のなか、特に険しい3日目のコースに向かうことは、リスクが大きすぎると判断。また穂高岳山荘で西穂からきたAYガイド&S Mさんと合流したこと。そして彼らは明日奥穂経由で重太郎新道から下山するなどことから、最終日は彼らとご一緒させていただき、重太郎新道から上高地に向かうことにしました。
8月6日
奥穂高岳山頂から見た日の出
最終日の朝は、たった40分の奥穂への登りで、今まででは考えられないほど100%息を切らせながらなんとか山頂へ。。。 もはやここから一歩も動けなくなるのではと思えるほどの息切れでしたが、徐々に明るくなる空と、その後の日の出。そして少しずつ顔を出す朝日の持つパワーに力をもらうと、呼吸も整いはじめ、体も少し軽くなってきました。
8月6日
吊り尾根(奥穂からの下り)で眺めた前穂北尾根
二人の存在に助けられ、軽快に下る事ができた道。(途中、次回はぜひここに登りたいと語り合っていたことが、1ヶ月後現実のものにできた幸せは人一倍であり、言葉では表せないほどでした。)そして下りでは、新たに手に入れたバウアーファウンドの高級な膝サポーターと魔法のようなソルボセインのインソールのおかげもあり、急で落差のある箇所が続けば膝の違和感自体は出てしまうものの、痛むことはなく、その後の軽い下りの道では、今までにない軽快な歩行ができ、良い部分もありました。
この山行と同じ事が次回の登山でも起こるようなら、山へ向かうことを考え直すべきと思い、9月の山行まで8月の登山日記は書かずにおりました。。。
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時は戻り
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9月15日 11:47
今回登る前穂高岳北尾根を眺めながら
ご褒美の生ビール
ソロではただ単調な横尾への平坦な道もSMさんのお陰で会話も弾み本当にあっという間。本谷橋からの登りでは、前回(8月の山行)とは全く違い、今まで通り、または日々のトレーニングの効果もあり今まで以上に軽快に登る事が出来て、抱えていた不満もすっかり解消。涸沢小屋前のいつもしんどい石段も今まで以上にサクサク登る事ができ無事小屋に到着。まだ11:30。部屋で着替えてからテラスで飲んだご褒美の生ビール。まさに美味さひとしおでした。
9月15日 17:50
夕日にやける前ほ1、2、3峰と4峰のピーク
3時半過ぎにAYガイドと小屋で合流。協議の結果、明後日の天候が台風の影響で微妙なことから、日程を2日間に短縮し、明日、メインのルートである前穂高岳北尾根に登って下山することに。前回の山行での大きな不安も、今日一日で無事解消でき、明日への期待は膨らむばかり。もちろん一般登山道ではなく、もろく落石の危険は常に隣り合わせのルートなので、油断せず気は引き締めて挑みます。
明日は暗い中の出発のため、先に明日の準備を整え、ガイド手作りの美味く楽しい夕食タイム。パーテーションや換気はしっかり。そして食後程よい時間になると、ほろ酔い(?!)気分の中部屋へ戻り、朝3時にアラームをセット。そして布団に潜り込むと、即スイッチはオフに。