10月9日(木曜)の定休日は、群馬県にある妙義山で、秋の行楽シーズン前に登山道の点検整備をして参りました。
もともと北アルプスの険しい岩稜帯ルートをソロで自信を持って挑める様にと、妙義山の破線の熟練者コースでスキルアップをさせていただき、またその結果、妙義山自体にも魅せられてしまった経緯があり、その恩を御山に返すべく、妙義山岳会に一応ではありますが名前を置かせていただき、毎年春と秋に行われる登山道の点検整備に参加する様になった次第です。
地元警察の山岳救助に携わる方々、同じく消防の山岳救助に携わる方々、そして妙義山岳会の仲間と共に、皆様にできる限り安全な登山をしてもらえる様、マーク、鎖場、ロープの安全確認、倒木や落石の危険のある石の撤去などを行っております。
点検当日は夜中からあいにくの雨。集合時間には雨は上がる感じではありましたが、ウェットのコンディションでは上部の鎖場は危険を伴うため、コースを修正しつつ四つの班に分かれ行動開始。自分達は妙義神社から中間道でタルワキ沢まで行き、タルワキのコルへ登るルート。特に上部の痛んだ補助ロープの交換が急務だそう。
登山道の案内板で念の為コースを確認し、中間道へ。早速倒木がいくつかあり、撤去していきます。自分はスプレーで薄くなったマークを見やすくしたり、山ビルの退治などがメインでした。
タルワキ沢に入り最初の補助ロープの取り替え作業。普段から妙義のさまざまな岩に登るスペシャリストや普段から登山道を少しづつメインテナンスしている頼もしい仲間がロープ張替えのメイン・メンバーです。リーダーが山ビルの餌食に。ただし慣れているので対処が早い!
自分はネオプレーンソックスなどで足の被害を最小限にしようと準備しました。また、思いのほか多い山ビルなので、何度もみんなで足元を確認してきましたが、気がつけばな、なんと自分の”首”に山蛭が〜。。。涙 おそらく枯葉の少ない場所で休憩の際ザックを置いたので、その際にザックに登ってきたのが首に張り付いた様です。ただし、気がついたときはすでに満腹だったのか、払ったらポロリと落ちて出血もほぼ無しでひと安心。
意外と大きな木も倒れているので、何本か登山道から撤去。マークは明確に、矢印ではなく丸印でハッキリと上塗りしたり、新設したり。滑りそうな枝の重なり合うところには、短いロープを新たに設置。余分な枝もノコギリでカット。怪しい石も登山道外へ移動と、色々必要な作業の連続であっという間に充実した時間が過ぎていきます。
この日のメインと言えるのがこちら。決して安価ではない登山用のロープを使った補助ロープですが、古い赤いものはご覧の様に岩で擦れすでに芯材のみでいつ切れてもおかしくない状態に。それほど時間が経たずにこうなってしまうのが難しいところです。
鎖はもちろんこうしたロープも新しい時は信頼性が高いのですが、自然環境の中では思うよりも劣化が進む場合があります。鎖はもちろんですが、特にこうした補助ロープは、全体重をかけることが、危険を伴う場合があることをご理解いただき、他の支点をしっかりと確保しつつあくまでの片手での補助として使えるようにしていただけると万が一の時もヒヤッとするだけで対処できると思います。ぜひ参考にしてください。
今回はこのロープの擦れができるだけ最初しないよう、ロープをつける支点を上部の木に移設。そして問題の岩に擦れることなく、まっすぐ下にロープが伸びるようにしました。流石ロープのスペシャリストですね。これで今日の最重要任務はコンプリート。
無線連絡の内容から、各班下山体制に入っているようだったので、自分たちも無理に必要以上に先に進むことはせず、ピストンでの下山を開始。今度は山を下る際の目線で危険箇所を再確認し、気になる場所は安全になるよう対処しつつ無事ビジターセンターに戻りました。