3/28/2013

one more shot***

  マッカラムのカラーリングに対する評価が高い事には理由がある。昨日も触れさせていただいたカラード・ホットコートではベースカラーに対するトップカラーのムラをサンディングで表現する為、レール周り、マークやパッチなどのレイヤーが絶妙な表現をしてくれる。通常マスキングしてラインを綺麗に出す所をあえてラフで自然なクロスの素材感を出そう事でよりナチュラルなムラを出している。シンプルな単色のオパークカラーにダブル・ピンラインのボードにはあえて後からサンディングする事で、一度ポリッシュで仕上げたボードに表面処理の変化だけでバンドをワンオフ。画像のようにアブストラクト・カラーにしてもひと味違う付加価値を感じさせる所も見逃せない。
 しかし高評価に対する一番の理由は斬新な技法によるものではなく、色そのものにあり、その色と色との組み合わせにあるのだと思う。例えばストックの中にいくつかあるブラウン・ティントのボードも、ウィスキーのようにコクと深みのある赤茶色だったり、枯れ落ちた落ち葉のようにグリーニッシュなブラウンだったり、サンディエゴの海に長く伸びたケルプそのものだったりと、それぞれに違ったブレンドがされている。そしてそれぞれのカラーに対するピンラインなどのチョイスが、思いもしない組み合わせなのにそれが何とも絶妙なマッチングをしているのである。そしてそこにそれを引き立たせる上記の様な技法を誰よりも早く彼のスタイルにしている。さらにはアレックス、ジョシュなど本場サンディエゴでも飛び抜けてスキルの高いスタッフが揃っている事で、常にクオリティーの高いサーフボードが出来上がり、結果シンプルなソリッド・ティントのボードですら美しく見えるのだろう。