今ではすっかり定番の仲間入りしているツインキール・フィッシュ。サンディエゴの伝統的なデザインで、オリジナルはスティーブリズ、そしてサーフィン用として名を知らしめて来たスキップフライ。彼らのサーフボードは現在ユーズドですら高額で流通するようになってしまった。そしてサンディエゴはもちろん今では世界中で、多くのシェイパーが彼らをリスペクトしつつ独自のアレンジによるオリジナルを作り続けている。
自分が初めて手にしたツインキールフィッシュは2000年頃だっただろうか。その当時はまだフィッシュブームの少し前だったと思うが、フィッシュに乗るサーファーはあまり見かけることがなかった気がする。クラッシックなロングや長めのミッドレングスに乗っていた自分にとって、安定感の中にスピードとマニューバー性が楽しめるフィッシュが新鮮で夢中になり、まず朝一番にフィッシュに乗ってボードに慣れていった覚えがある。ビンテージ、タイラー、チューダー、スティーブ・リス、メイビル、クリステンソン、スキップフライ、ヌヒワからアンダーグラウンド・シェイパーまで様々なフィッシュに乗ってきた。2003年頃にはニューエボリューションのオリジナルでフィッシュを作ってもらっていた事が今では懐かしい。
フィッシュシモンズは別ジャンルとして、ビッグフィッシュといえば、スティープリズの9’0”ホエールフィッシュ(クワッド)を所有しているが、その他に最近気に入っているのがこのマッカラム。8’6”でボリューム満点の一本。テイクオフ重視で女性サーファーがオーダーしたボードを自分が乗り継いでいる。テイクオフはロングボードながらもターン自体はツインキール・フィッシュなので、早い波のキャッチからボトムに駆け下り、ドライブが効いたボトムターンが気持ちいい。強烈なフローでフェイスを駆け抜けるのは最早快感。トップターンやカットバックも長さを理解していれば味わい深かったりするものだ。ただし、あまりにキールフィッシュの乗り味が気持ち良く、長さを忘れてターンすると、イメージどおりボードが動かず痛い目にあったりもしてしまう。
短めのフィッシュはより軽快な動きとドライブが気持ち良く、ミッドレングスはロケットフィッシュなどもあり奥深く、コンディション次第で様々な乗り味が味わえる。フィッシュひとつとっても、手放せないボードが自分のクイーバーの中に10数本あるのもしょうがないことなのだろう。