左上の画像は、ジャンダルム山頂から槍ヶ岳から大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳へと続く山並み。そして今日の宿、赤い屋根の穂高岳山荘の左上が涸沢岳。
右上の画像では、以前よりちょっと小さくなった何代目かの黒い天使と槍ヶ岳方面の景色をバックに撮っていただいたもの。出発から6時間38分。流石にだいぶ疲れもありますが、ここまで辿り着いた達成感と充実感で満足げな顔をしていますね。。。笑
左下は同じく黒い天使と背中の奥穂高岳をバックに撮っていただいたもの。久しぶりのソロでの山行、そして西穂高岳から奥穂高岳への難路、途中エスケープができないなどの緊張感やプレッシャーもたくさん感じた中での久しぶりのコース。丁寧にミスなく、そして想定よりやや早い時間で進んできたことで得られた達成感は、久しぶりにかなりの手応えのあるものだった気がします。
この景色を今ここにいるみんなとシェアしながら、10分ほどですがゆっくり身体を休めたら、右下の画像に見える奥穂高岳まで、まだまだ気の抜けない険しい道が続くので、もう踏ん張りしっかり進みたいと思います。
左上の画像ではジャンおすぐ先の小ピーク手前をトラバースしている先行者の方がわかります。もはや高度感は麻痺して何も感じませんでしたが、こうしてみるとただ歩いているその場所も案外切り立った場所ですね。そして左上の小ピークを乗り越えて進みます。越えれば当然しっかりと下りますが、
そこも右上の画像のようななかなかクライミング要素の高い場所です。スリングがついているのでガイディングなのでは支点確保して進むのでしょうが、基本的にはもちろん、ここもフリーでクライムダウンします。
左下の画像はジャンダルムから手前のロバの耳の飛騨側をトラバースしつつクライムダウンしてきた道です。こちら側からみるジャンダルムはもちろん、この岩稜の険しさがなんとも美しく、その魅力に惹きつけられてしまいます。
そして右下の画像はロバの耳からの急な下りで一旦コルに降りた後、今度は馬の背へ向けて最後の急斜面の登りが待っています。登るルートの麓には青いジャケットの方、途中にもユーチューバーチームの二人がすごいところを登っているのが見えるでしょうか。
左上の画像では先にご紹介した馬の背への最後の登りのルートを少しアップにしてみました。よく見ると青ジャケットの方、その左上に白っぽい登山者、さらにその上にも登山者がいるのが分かります。ご覧の通りかなりの急斜面ですが、行ってみるとルートははっきりとしています。ただし、もちろんかなり急で落石の危険が高いので、前後に人がいるときは間隔をしっかり取りつつ、岩を落とさない上り方(逆では降り方)が大切です。
右上の画像、そしてと左下の画像は、その上りの場面を実際に登っている際のものです。丸印などしっかりとありルートは割と鮮明ですが、クライミングの経験がなければ、とても簡単な登りとは言えない感じでしょう。
そして右下の画像は、この最後の登りを進みながら振り返ってロバの耳とジャンダルムの姿を眺めた時のものです。よく見ると奥のジャンダルムから手前のピーク、ロバの耳をトラバースした後、凄い所を下っている後続の登山者が見えるています。(右下画像中心のやや左下の赤いジャケット)自分的には何度来てもここら辺が景色もカッコよくて、そしてロバの耳の下のルートもクライミング要素があって大好きなんです。
さて馬の背絵の登りも後もうひと頑張りです。ここへきてまた汗がヘルメットから止めどなく滴り続けています。ハイドレーションで水分補給も欠かさずに、馬の背へは本当に後ひと登りです。
自分は馬の背へ後ひと登りではありますが、後続の大学生二人組が少し気がかりなこともあり、ロバの耳のトラバースからの下の斜面を何度か振り返って確認してしまいます。
左上の画像をご覧ください。画像真ん中付近に赤いジャケットの青年がいます。割とまっすぐに降りるルートではありますが、ここら辺は鎖がありそうなところに全くない感じなので、クライムダウンがしっかりできないとフットホールドが見えなかったりで苦戦する方も多い印象です。
右上の画像でアップにしてみましたが、赤いジャケットの彼は下を向いてルートをしっかりと観察中の様子。上にいる黒ジャケットと二人、ルートを観察しつつ意見を交わして時間をかけているのがよく分かります。無理矢理に進むより懸命な選択だと感心しながら見ていた覚えがあります。
左下の画像の様に通ってきた道がなんだか名残惜しく幾度も振り返って目に焼き付けていました。湧き出したガスが岩稜の荒々しさを際立たせていますね。
息が上がらないペースを保ちつつ、少ししんどくなってきた身体を奮い立たせ、急な登りを上り切ると急に視界は開けて、右下の画像のように馬の背の上に立つ先行者、そしてその向こうには奥穂高岳山頂にいる登山者もはっきりと見えてきました。汗は止まりませんが、本当にもうひと頑張りです。
左上の画像は馬の背の取り付きからのものです。有名な難所として登山地図にも要注意と取り上げられていますが、今までの道を考えると登りではさほど難しくは感じません。
そして右上と左下の画像は馬の背の途中から見たもの。左側を進むか右側でうまく支点を確保して登るかは、意外とはっきりと判断できる感じです。右側を進む際に、しっかりとホールドが見えないと手足の短い方だと苦戦する場合もあるかもしれませんね。
右下の画像は同じく途中から振り返って下側を見たものです。ご覧の通り右側が特に切れ落ちている感じですので、馬の背を降りで使う場合、特にここら辺が難路のスタートいうこともあり、緊張感がある記憶があります。
さあ、これを越えればもう奥穂高岳まではビクトリーロード。山頂の登山者にきっと歓迎してもらえずはずです。
左上の画像は馬の背を上り切る少し手前で振り返ったもの。馬の背、その先にロバの耳、そしてジャンダルムが綺麗に並んで見えます。ガスのお陰でなんだかとても幻想的な世界。
右上の画像。奥穂へ後もうわずかのところで、名残惜しくもう一度振り返ってみます。そして奥穂高岳山頂はもう本当に目の前。
右下の画像は、奥穂高岳山頂。汗まみれで身体も大分疲れていますが、緊張感から解き放たれ、ここまで辿り着けた達成感から珍しく笑顔のショットを撮って頂きました。
時間は午前11時7分。出発からの行動時間8時間7分、ここまで休憩はトータル55分ほどなので、実質7時間2分です。この歳にして慌てず丁寧に進んだ割には、なかなか良いタイムですかね。山頂では自分がビクトリーロードを進むのをみていてくださったソロの女性や男性と色々お話をさせて頂きつつ、後続の大学生が無事馬の背を超えて姿を現すまで、のんびり20分ほどジャンダルムを眺めていました。
そして右下の画像の様に、大学生が無事奥穂へ向かいビクトリーロードに姿を見せたところで、穂高岳山荘まで30分ほどのんびりと最後の下りです。難しい道ではありませんが、最後まで気を抜かずに下りましょう。
今日のゴール、穂高岳山荘には11:59分に到着。行動時間8時間59分(うち休憩75分なので実質7時間44分の行動)。獲得上昇量1865m、獲得下降量1207m。ソロということもあり、常に緊張感を保ち、焦ること無く一手一歩を丁寧に進みました。たくさん汗をかき、しっかり栄養や水分を補給し、休みも取り、このルートを今回もコンプリート出来たことをとても嬉しく、自分というちっぽけな存在の中に新たな自信がプラスできた気がします。
さて宿に入って乾いた衣類に着替えたら、まずはビールで乾杯ですね!