毎年春と秋の恒例山行となっている群馬県の妙義山。当初は西穂高岳からジャンダルムを超え奥穂高岳への道をチャレンジするためのトレーニングと思っておりましたが、今ではこの岩山の虜になっています。正規ルートのほかバリエーションも豊富で、奥が深い山域なんです。
初日は早朝に浅草を出発し裏妙義をがっつりと登るつもりでしたが、数日前から愛犬の腹具合が悪く朝の様子を見てからの出発に(今はすっかり元気になりました)。結果お昼に松井田着の電車での旅に。初日は東雲館のご主人オススメの沢を登ってきました。最後に詰めが甘く五段の滝は登れませんでしたが、簡単な岩登り(クライミング)、何本もの懸垂下降、そしてルートファインディングと3時間少々でしたが良いトレーニングになりました。
夜はいつもお世話になっている東雲館。決して綺麗な高級旅館ではないのですが、登山のギヤ、カメラ、漢方ほかとにかくいろいろな趣味のアイテムなどが混沌としており、それがなぜだかなんともアットホームで落ち着くという、新たなジャンルの魅力満点な旅館なんです。ご主人も奥様もあったかくて良い方で、もしかするとここへ行きたくて妙義に来ているのかと錯覚してしまうほど不思議な魅力がある宿です。山岳ガイドや登山の方が多く利用している宿です。この日は神戸から登山に来ている女性と夕食の際お話をし、宿のご主人の勧めもあり明日のルートをご一緒することに。
朝食後、7時20分出発。妙義神社で安全登山を祈願後、神社脇の登山口より登り始めます。大の字まで一気に登りこむので短時間ですが既に汗が吹き出しています。1時間弱で奥の院までたどり着くとここでクライミング装備。実際にロープや下降器を使いことはあまりありませんが、鎖場での写真撮影などでは念の為セルフビレイをしています。
事故の多い山なので、登山口など至る所にこうした警告の看板が立ててあります。それでもこの日すれ違った二人のうちお一方は軽いハイキング装備でした。。。
姿を現した金洞山
今日の縦走路
ビビり岩を通過する神戸女子
見事に高く切り立った天狗岩
チムニーへの下降へ確実なホールドをチェック
鎖は最小限の補助として
掴みやすいホールドが多いので鎖より頼りになります
確実な三点支持で下降
逆ルートからこちらへ向かう登山者
コースのナイフリッジ具合がよくわかりますね
鷹戻しの長い縦の登りを終えトラバースへ入る神戸女子
(梯子と数段の鎖合計60mの登り)
緊張感はしっかり保ちながらも
楽しくて堪らない垂直な岩場の下降
相馬山と中の岳でザックを下ろし食事と休憩。風も弱く暖かな日差しの中しばしのんびり。登りでは大きな筋肉を利用し燃費良く、下りではより体幹を意識し重心を低く、終始猫のような静かな足さばきを心がけていました。普段からのトレーニングの成果もあり9割程は実践できた気がしています。また鎖場ではホールドを探すゆとりも増え、結果しっかりとした三点支持で鎖は最小限の利用で昇降する事が出来ました。ただし、足さばきも鎖の利用もまだまだ甘い箇所があったので、次回はより効率的に挑めるように日々精進していきたいと思います。急がず小さく休まずのマイペースで6時間10分。まずまずのタイムで無事下山することができました。神戸からの登山女子は、足も強く鎖場も怖がる事なく自分と同じペースでクリヤー。お見事でした。ご一緒させていただきありがとうございました。
白雲山から金洞山への縦走路は、登山地図ではほぼ全ルートが破線(難路)、危険マーク(通過に注意が必要)だらけ、そして事故が多く起こっている緊張感を保ち続ける必要のあるコースタイム8時間30分ほどのコースです。危険箇所に入る前にはクライミング装備での登山の必要性をあげる多くの看板もあるので、もし行く方がいらっしゃるようでしたら、ご自身の技量、経験から判断し、十分な装備をして挑んでみてください。ご興味がある方、秋の縦走でご一緒しますか?