8/05/2025

Mountaineering *2025-07 Nishihotaka-Okuhotaka Part-1***

 久しぶりの西穂高岳から奥穂高岳への道。2017年9月に初めて挑んでいらい、いずれかのスタートで3回ほどソロで挑み、また奥穂南陵から天狗のコルまでもガイディングで行ったことがあるため、今回が5度目のジャンダルムの黒い天使とのご対面でした。何度歩いても気の抜けない険しい道です。
 今回は何度かに分けて、山行日記を書かせていただきますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい。
 今回の西穂からのルートでは自分の2時間ほど後ろを進んでいらしたソロの方が、滑落によりお亡くなりになられたそうです。ヘリの音が気になって何か事故があったのではと気になっておりましたが、貴重な命が失われた事がとても残念です。こころよりご冥福をお祈りいたします。





 2025年7月23日。前夜22時25分新宿発の独立3列シートの夜行バスで熟睡し、朝5時20に上高地バスターミナルに到着。今日の行程はソロでのんびり西穂小屋までの道のり。コースタイムでも4時間10分程なので、ゆったりと準備をし6時に行動開始。

 画像左上は、朝靄に霞む河童橋と穂高連峰。朝一番から登山者はそれぞれ目的地へ出発していきます。
 右上の画像は河童橋から大正池後面へ向かいつつふと振り返ったときの一枚。爽やかな朝の空気と幻想的な景色に、身も心あわられます。
 左下の画像は西穂高岳登山口。登山口横にある山の神神社で安全登山のお参りし、6時半にここから本格的な登りに入ります。
 右下の画像は到着した今日の目的地、西穂山荘。登りの途中朝食の休憩を入れつつも、9時9分には小屋に到着してしまいました。すっかり汗だくです。今日の行動時間は3時間9分で獲得標高差1,341mと短い時間ながらそれなりに登ってきたことを実感。

 早着のゲストのために午前中時間限定でアーリーチェックイン。スタッフの皆さんに感謝です。ウェットシートをたっぷり使い体の汗を拭うと軽量な小屋用衣類に着替え、濡れた行動技を乾燥室に干して、早速ビール片手に名物ラーメンのランチタイム。その後は宿泊の方々とのんびりくつろぎながら明日の行程の話や世間話で時に愉快に談笑タイム。待ちに待った夕食の後は、乾いた明日の行動技に着替えて、即、布団の中へ。


 24日は深夜1:55起床。静かに準備を進め、今日午後の雨の予感から時間を早め、午前3時に小屋を出発。ヘッドライトの灯りだけを頼りにたった一人一歩一歩丁寧に登ります。出発の際は何グループかが準備を進め後続で出発したようですが、1時間ほどして振り返るとみんなの明かりはかなり後方に離れていました。

 左上の画像は上り出して1時間ほどし、夜明けの気配を見せる空のなんとも言えない色合いに癒された瞬間。
 右上の画像はだいぶ辺りが明るくなり始めた中、ヘッドライトを頼りに岩稜帯を進むもの。 
 左下の画像は日の出の近い空の色。ただしここから稜線の左を巻く道が続いたため力強い朝日に今日一日の力を貰うことは出来ずしまい。ですが今日はそんなことを気にしているゆとりはありません。独標手前でストックをしまい軽い休憩を取り、
 右下の画像の8峰、ピラミッドピークを4時50分に通過します。もはや汗は止まることがありませんが、水は想定の1.5倍の3Lを担いでいるので、少し重いですが気持ちのゆとりがありがたいですね。



 西穂高岳山頂まで独標を過ぎるといくつもの超ピークを超えて進む岩稜帯。

 左上の画像ではすごいペースで追い抜き今日中に上高地へ向かうという登山者が、切り立った岩壁の淵を進んでいるのが見えます。ご覧のように一般登山道とはいえ事故も多い箇所ですので、クライミング経験のない方々にはちょっとスリリングかもしれませんね。
 右上の画像のように振り返ると超えてきた小ピーク達。
 そして左下の画像で見える主稜=西穂高岳までもう一息。
 右下の画像で丁度薄くガスがかかった辺りがスタート地点でしょうか。だいぶ前進しましたが、先はまだまだ長くそして険しくなって行きます。



 左上の画像は西穂高岳山頂を目の前にして振り返った際の辿ってきた道。ピラミッド型の8峰のピークがカッコいいですね。
 右上の画像は西穂高岳山頂直下。いよいよまず最初の目標点がすぐ目の前です。
 左下の画像は、ついに小屋を出て2時間半、5時31分に2908mの西穂高岳山頂を通過した時のもの。
 ただし、画像右下の様に、まだ遠くに見える奥穂高岳方面までの難路を考えると、今日はある意味ここがスタート地点。ここであえて休むことなくそのまますぐ先に見える「P1」へ前進あるのみ。



 左上の画像は、西穂高岳の次のピーク「P1」。ここから先は一般登山道ではなく、熟練者向けの難ルートとの注意勧告の看板。そして西穂高岳から奥穂高岳の間は、直線距離たった2kmなのに、なんとコースタイムは6時間30分。ここからいくつものピークを登り、そしてクライムダウンし、崩れそうな岩に丁寧に足をそっと置きながら進むことがどれほど難しいかが、想像できますね。
 
 画像右上の様に、逆光の先に現れた先の岩稜が恐ろしく、そして勇ましく待ち構えています。さてここから先は一度も気を抜くことができない上、トラブルがあってもエスケープする道がない切り立ったリッジの連続です。
 画像左下のように険しい下からその先のトラバースへとさらに気を引き締めて進みましょう。
 画像右下のように脆い岩山が次々に立ちはだかります。

続く。