かつてはボード・ビルディングの全ての行程を自ら行なっていたジェフ・マッカラム。現在では自らマッカラム・サーフボーズとしてサーフボード・ファクトリーをサンディエゴに構えている。そして各パートにスキルが高く仕事に対して責任感の高いスタッフを揃え、今や早朝から夜遅くまで忙しく稼働しているサンディエゴで最も多忙な工場になっている。
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ジェフがラミネータートして絶大な信頼を置くのが、アレックス・ビララボス。かつてはジョエル・チューダー・ブランドで複雑な組み合わせや綺麗なアブストラクトを表現していたので、皆さんも何処かで彼がラミネートしたボードを目にしたり乗ったりしていたかもしれない。彼の色出しは絶妙であり、ラミネートのための技術もベストとも言われている。自分の様な物が眺めていても、色出しからラミネート、そして次のボードへの移行と、その手際の良さがとても良く分かる。
オンリーワンである事。これはハンドメイドのひとつの魅力だろう。ジェフのシェイプはもちろんだが、アレックスの色出しも常にオンリーワンであり、全く同じシェイプや全く同じ色というのはあり得ない。ショップでは自分の好みを良く知ったジェフとアレックスの感性にカラーを任せ、結果として毎回良いカラーリングのボードが入荷している。カスタムオーダーについても弊店ではこんなニュアンスでとかこんなイメージでという抽象的な指定をお勧めし、お客様に出来上がりを楽しみにしていただく事が多い。フォームにエアブラシなどで着色するのであれば、かなり指定に近い色が出せると思うが、これではレジンカラーの様な深みのある色合いなどが表現出来ないため、マッカラムの工場にはエアブラシの装備は無い。そしてレジンカラーは強烈な臭いや限られた時間の中でカラーを調合し、毎回世界にたったひとつの美しいボードが完成するのである。