赤岳南峰リッジをクライミングするリードのAガイド
1月24日(木)&25日(金)は連休をいただき、山に行って参りました。今回はいつもお世話になっているAガイドに依頼していた南八ヶ岳縦走です。ご近所のジム友であり山友でもある先輩Oさんの車で浅草を4時に出発。
7時の集合時間までに美濃戸口にある赤岳山荘で朝食&準備を済ませ、ガイドの車で美濃戸まで。ここから縦走がスタートです。雲も多く強い風の中、まずは南沢ルートから行者小屋まで樹林帯を黙々と2時間半ほど登ります。
行者小屋まであと30分ほどのところまで来ると厚い雲はどこへ行ってしまったのか、綺麗な青空に雪の付いた木々が輝きだし、風に飛ばされた霧氷が美しく輝いています。
樹林帯を抜けると昨晩降った雪に包まれた白銀の世界。幻想的な素晴らしい風景に癒されますね。
赤岳
行者小屋からは本格的な登りになるので、ここでアイゼンを取り付け、ストックをピッケルに持ち替えます。頭にはもちろん登山用のヘルメット。またこの標高でも−15度以下の中、強風では体感温度がかなり下がるので、顔を被おうことができるようバラクラバ(目出し帽)も準備しておきます。
当初の予定ではまず阿弥陀岳へ北稜から登り、トラバース後赤岳南峰リッジを登るというバリエーション2本立てでしたが、新雪&強風なので、無理せず南峰リッジのみに変更。経験豊富なガイドの確実な判断です。実は小屋付近で2つのパーティーに遭遇しましたが、クライミング装備のパーティーですら強風から登頂を諦め途中にある氷瀑でのアイスクライミングに予定を変更。また一般登山者のパーティーは景色を目に焼き付け撤退だそう。それぞれ確実な正しい判断だったのでしょう。
凍て付く阿弥陀岳と中岳
南峰が近づいて来ました
行者小屋からまずは樹林帯の急登。そして階段の急登。さらに中岳との分岐までもうひと頑張り。ここは何度登ってもしんどく登りごたえがあります。途中休むと止まってしまいそうなので、焦らずゆっくり、そして止まらずしっかり一歩一歩雪面をアイゼンで踏みしめ進みます。中岳との分岐で少しだけ風が強くなりましたが、八ヶ岳にしては驚くほどではなく嬉しい誤算。冬用登山靴とアイゼンで重い足も、あと少しで楽しみな岩場と思うと力が漲って(みなぎって)来ます。
赤岳山頂付近
ここからは楽しさに疲れが吹き飛んでしまいます
もう数ピッチあるとさらに良いのですが
欲張りはいけませんね
さていよいよここからはバリエーションルート。冬場のバリエーションの面白さは、アイゼンとピッケル、また時にはハンドで岩とアイスのミックスのルートを登ることができること。アイゼンの歯を岩に噛ませる感覚がなんとも言えないんです。このルートは自分自身手に負えないほど難しく感じるものではありませんが、ルートも良く分からない上、いざという時ロープで確保してもらっているので、ガイドと登るのが確実ですね。数ピッチで気がつけば山頂は目の前。普段なら強風で即撤退が多い山頂ですが、まさかの心地よさにしばし貸切の山頂で休憩することさえできてしまいました。
ここから30分ほど下ったところにある赤岳天望荘が今日の宿。−15度の世界から快適な小屋の中へ。食堂や談話室はストーブで暖かです。美味しい夕食までの間は、エノテカのセレクションの中から選んだ赤ワインをワイングラスで楽しみながら宴会モード。2700mの世界で飲んだワインは一人1本。バイキングのはずの夕食は、自分たちで貸切のため先にプレートに盛られていました。何れにしても肉系は食べない自分はいつもタラノメの天ぷらがメインなので、追加でいただいた分も平らげ満腹です。食後は今日一日に感謝しながら軽く残ったワインをいただき、明日もあるので早めに湯たんぽでぬくぬくの布団に潜り込み夢の中へ。Keep on Climbing!