11/17/2021

from Nobu's Collection * Bing 7'4" Bonzer***

 先日ご案内したとおり、宝の持ち腐れにならない様、皆様の何かのヒントになればと、また、歴史的なデザインをより深く知っていただけるように、自分のコレクションからヴィンテージボードをメインに少しずつご紹介させていただきたいと思います。







 今回のボードはビングのボンザー。1970年にキャンベル兄弟が生み出した名デザイン。(コンケーブを伴うものは1972年。)ホローで早い波を突き抜けるべくデザインされた、アプローチ次第では世界で初めてとも言われる3フィンデザインですね。こちらは彼らの承諾を得た正規のボンザーとしてビング・サーフボーズより1970年代中頃に販売されていたものです。



 おそらくオリジナルのセンターフィンはサイドと同じように丸みのあるものだったでしょう。サイドのボンザーフィンはボードに入れた切り込みに差し込みグルーで固定してあります。センターフィンの両脇に深く掘られたコンケーブを流れる水流が揚力となり、結果としてスピードにつながるデザインですね。サイドフィンの役目を理解すれば、どんな乗り方が良いかわかって来るはず。


Bing Surfboards
mid 70's Bonzer
7'4" * 20" * 3&1/4"





















 オーストラリアの一気に短くなったボードやツインフィンの影響を受ける中、マルコムとダンカンの兄弟の思いを父のアドバイスで形にし、1970年にボンザーの原型が完成しています。さらに磨きをかけつつ、1972年に大胆なコンケーブルを持つ3フィンデザインが出来上がり、まだキッズだった二人のアイデアはやがてビング・サーフボーズにより認められ、当時ファクトリーでシェイプをしていたマイク・イートンらにより、一気に注目の的になったそうです。そんな少年たちの思いが、現在でもボードデザインの一つとして確立しているなんて、当時の彼らには想像すら出来なかったはず。マルコム&ダンカンのキャンベル兄弟に感謝し、尊敬の念を持ってボンザーに乗りたいですね。