9/21/2017

Japan Alps *Day2***

本日もご来店多数でうれしい悲鳴です。そしてただいま今やっとひと段落。画像もこれから撮影して準備を進めます。問うわけで書きだめしておいた山行の日記を取り急ぎアップさせていただきます。ご興味のある方は、取り急ぎこちらをどうぞお読みになってみてください。


 二日目深夜。耳栓をして快適に眠っているので、他人の寝息などは気にせず熟睡できますが、喉の渇きで起きるたび遠く聞こえる風の音は完全に嵐。前線の通過が午前中の予報なので5時前に起きても暴風雨は変わらず、食後は少し強まるほど。皆さん本日の予定を5時半の朝食時間から再度確認しあってます。下山組は小屋のスタッフに情報をもらい、稜線と違い風の心配が少ないため、二組4名一緒になっての下山を決めた様子。槍を目指す人たちは明日に期待して待機、あるいは午後になって弱まれば槍ヶ岳山荘まで少しだけでも前進するとか。自分も最悪は午後から槍ヶ岳山荘までの前進も視野に風雨が少しでも弱まることを期待。ただし後の行程を考えると今日動けないのは辛いところ。一期一会ながらも良い仲間が多い宿でまったりしていると、居心地の良さから今日はここでのんびりするのが良いかもなどと思えてきてしまいます。


午前9時を過ぎても変わらず。午前10時になり少し風が落ち着いたかと思えば息を吹き返す。午前11時になって風自体は少しだけ落ち着いた気配。雨は相変わらず弱まったりまた激しく降ったり。。。そして11時15分。もはや南岳への移動にはタイムリミット。冬の赤岳で稜線のある程度の強風は経験もあるし、いざ無理なら引き返す、また50分ほどでたどり着く槍ヶ岳山荘でステイすれば良いという判断で、出発の準備。雨に濡れて体温が奪われることだけはないよう装備を整え、みんなに別れの挨拶をすると11:35分にヒュッテ大槍を出発です。(ご一緒できた皆さん、見送りまでしていただき、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。)


画像ではわかりませんが飛騨側から強烈な風と雨が吹き上げてきます

信州側を巻くときは少し平和

やはりこのコンディションではコースタイムより少し早い程度
正面には槍ヶ岳があるはずですが。。。

とりあえずここを写さないとどこにいるかわからないので。
中では待機する皆さんがくつろいでいます

軒下をお借りし南岳小屋に予約の電話を入れ、蜂蜜100%の飴で栄養補給。また期待ハズレの濡れてしまった薄手のレイングローブを厚手で信頼の置ける乾いたレイングローブに変え、体温を奪われないように気を付けます。もちろん今回は槍の穂先は断念。装備を確認し南岳小屋目指していざ出発。後2時間半歩くだけ。暴風雨のたった一人の稜線歩きを楽しみましょう。

信州側は平和なひと時

信州側からの風雨は稜線の下から容赦なく吹き上げてきやがります。
突風では耐風姿勢まで必要ないものの、ストックでバランスをしっかりとって
(膝への負担も軽減できるので激しい岩場以外はシングルストックを愛用)

濡れているので足元も一歩一歩確認して


今日の行程で人に出会うことは全くありませんでした


ちなみに今回はスルーした槍の穂先は3180m、槍の麓からの稜線で通過してきた山は、大喰岳3101m、中岳3084m、そしてこちらが南岳3032mと全て3000m級。


一応中岳と南岳で記念撮影してみました


画像ではわかりませんが小屋の向こうから雨、
ガスと風が絶え間なくふき上がり続けてます
14:51南岳小屋に無事到着

 濡れた装備を脱いで小屋に入ると手続きを済ませ、着替えて濡れた衣類は乾燥室へ。気温も低く雨風にされても装備がしっかりしていれば、快適とは言えませんが程よく汗ばみつずけている程度。着替えてさっぱりした後のビールはやはり美味いの一言ですね。槍沢ロッジなどから上がって来た方が3組合計8名。沢が膝上まで増水していたためみんな靴の中がびしょ濡れだそう。乾燥室では乾燥しきらないと判断し、必死にストーブで乾かしております。ゴアテックス使用のブーツも内側に浸水してしまうとさすがに厳しいですね。また最後にいらしたご夫婦の奥様は下着まで完全にびしょ濡れらしく、稜線に出た瞬間に吹き上げる風雨で全身の震えが止まらなくなってしまったそう。危うく低体温症になるところだったとか。着替えて焼酎のお湯割りで温まっていらっしゃいました。
 この日も何組かの皆様と夕食までの時間軽く飲みながら談笑させていただきました。「明日は槍登って下山してKKICのカツカレーを食ってやる」と靴を乾かしながらなんども叫んでいた元気なお兄さんが居れば、山を愛した義父のために毎回山に位牌と共に登り遺灰を少しづつ山に残してくると言うご夫婦もいらっしゃる。そんな中、ここで出会った二人の青年とは翌日の行動を共にする運命共同体に。軽い気持ちで行動を共にすることができない分、実はこの一日が思い出に残る山行になるのですが、その話は次回にすることにしましょう。さてさて明日は天気が回復する予報なので、大キレットから北穂高を通過し涸沢岳への難路を楽しむべく、早めに布団に潜り込ませていただきます。