6/14/2026

from My Collection *Diffenderfer 9'2" Point Nose & Think about Diffenderfer***








 こちらのボード、実は中古として入荷した際から気になって眺めていたのですが、先日縁あって自分の元にやってくることになりました。そして昨日いよいよワックスアップし、初めて乗らせていただきました。
 アウトラインは、フィル・エドワーズにも似た印象でしたが、こちらの方が全体に丸みがあり、ボキシーなレールの感じから、全体にコンケーブを持たせないボトムコントゥアー、特にテールエンドのヴィーはまるでボート(船)のような印象。乗り味をそれほど気にすることなく極小の波でテイクオフした時に、なんだか今まで味わったことのないこの乗り味に「ゾクッ」とした覚えがあります。










 思ったよりも波のキャッチが良く、素直な滑り出しから、ターンも決して重さを感じさせずスムース。そしてこのアウトラインにしてクロスステップからのチーターファイブがとても安定して心地よい印象でした。波が小さすぎて波乗り自体を面白く感じることができない様なコンディションだったのですが、今まで味わったものとちょっと違うこのサーフボードの感覚に名匠マイク・ディッフェンダーファーの奥行き凄さを改めて感じさせられた、そんな夕方でした。


 恐らく1997年製のマイク・ディフェンダーファーのハンド・シェイプの一本。コンピューターでデザインし、機械でにおおよそのアウトラインを削らせ、最後に表面のムラを手で綺麗にしてあげるだけで、シェイプができてしまう現在のサーフボード技術。
 それに対し、昔ながらのハンド・シェイプは自らのシェイプ経験を積み重ね、その実績から生み出される多大なるアイデア。その中から目的に合わせ繋ぎ合わせたアウトラインをブランクスに描き、そして様々な器具を使いこなし立体的なサーフボードへと、シェイパーの手だけを使い素晴らしい流線型に仕上げていく。こうして出来上がった手作りのブランクスには、機械作りのボードにはないシェイパーのソウルがしっかりと入っており、そこにこそハンドシェイプにしか出せない味わいがあるのだと思います。

 上の鉛筆のサインは、ノーズから1フィートダウンの所、そしてテールエンドから1フィートアップの所のそれぞれにその場所の幅を明記、さらにシリアル番号、3サイズとシェイプした本人のサインが、几帳面に描かれております。こんな所作からも実績を積んだ一流のクラフトマンの丁寧な仕事が感じ取れますね。



 
 マイク・ディフェンダーファー。1937年に南カリフォルニアで生まれ、10代に入りラ・ホヤでサーフィンを初め、ライフガードをしながら、仲間のためにガレージでより性能の良いバルサのサーフボードをハンドクラフト。
 高校を卒業後ハワイに移住し、ノースショアのパイオニアになると、グレック・ノール、マイク・ヒンソン、ジェリー・ロペスなど著名なサーファーが彼のサーフボードに乗ることで、サーフィン回に多大な影響を与えてました。また60年代から70年代には素晴らしいビッグウェイブ・ガンを作り続け、「シェイパーのミケランジェロ」として認められていたスキルの持ち主です。
 こうしてサーフィンの世界にサーファーとして、そしてクラフトマンとして貢献をしてきた彼は、サンディエゴ・ホール・オフ・フェイムへの殿堂入りをもたらし、クオリティーにこだわった手作りによるクラフトマンシップがサーフィン・カルチャーに長きにわたり大きな影響を与え続けてきています。

 1961年にフィルエドワーズがノースショアのハードなブレイクを初めてメイクした際、そのチームに同行していたディフェンダーファーは、カメハメハHWY沿の、地下パイプライン修理の作業現場で見た光景から「パイプライン」のメーミングを思いついたそうです。そうつまり彼こそあの有名な「パイプライン」の名付け親ということですね。是非みなさんもディフェンダーファーの名前と共にこの事実を頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。