6/07/2016

This Week's Surfboard *McCallum Twin & Quad***

 すっかりオルタナティブなシーンも定着し、様々なシェイパーやブランドから魅力的なボードが販売されるようになり、個性的なショップも増えユーザーさんとっては最高の環境になっていますね。自分がショップを始めた頃はまだまだオルタナティブなサーフボードシーンは開拓され始めたばかりだった気がいたします。(もちろん以前から長くこうしたサーフボードを扱う先輩方もいらっしゃいます)
 ジェフ・マッカラムにも出会ってから既に10年以上が経ちます。ミニシモンズの話を知り、サンディエゴを探し求めて探し回り、唯一ショップにディスプレイ用に置かれていたシモンズ(まだハイドロダイナミカは発売前でした)。交渉の末なんとか購入して日本に持ち帰ったそのボードこそマッカラムでした。次の旅で彼と海に入りクワッグに乗った時の衝撃はいまでも忘れることができません。あの頃はまだクワッド版のエッグはそれほど多く見ることがありませんでしたし、クワッド自体に良い印象があまり持てなかったのかもしれません。それが乗ってビックリ。程よくルースなターンの始動と気持ち良いドライブ、そしてフローでボード自体がボトムから勝手にトップに導いてくれるような感覚。そして大きなフィンながらも軽快なトップターン。クワッグに乗る直前まで通常より手強いシェイプのハルに乗っていたこともあり、なんて自由にそして思うように動いてくれるのだろうと思ってしまいました。その時から、そして今でもマッカラムのサーフボードの大ファンです。



McCallum 5'9" Twin Chub
 まずこちらはツイン・チュブ。オリジナルのチュブ・サブはかなり幅が広く小波から楽しめるボリューム満点のシェイプでしたが、こちらは幅を程よくそして最近のマッカラムらしくノーズ&テールを薄くアップデート。
エッグ系の丸みのあるアウトラインにショートボードのスカッシュ・テール。ロッカーを生かしたラウンドノーズからセンターはボリュームをとりながらレールがしっかり入るチャイム・デッキ。そしてテールへ向け薄くシェイプすることでスピードとコントロール性をアップ。
そしてパープルスタッフでその魅力を見せつけてくれた独特なカッタウェイ・ツイン。最近、ツインキール・フィッシュが再認識されているようですが、自分はフィッシュを知ってからクイーバーの一つとして常にラインナップし続けています。そしてツインキールの魅力を知っている人にこそ、ツインフィンの新たな魅力としてマッカラムのツインにも是非乗ってみていただきたい。伝統的なシェイプは継承することが大切なのではなく、進化させることが大切なのでは。

マークも個性を表す大切なパートですね。こちらのボードは自分が購入して乗ってみることにしました。が、実は間も無く自分用の進化版L*7が入荷します。また、以前リクエストしたツイン仕様でくることが判明したため、二本とも購入して乗るべきか、ツイン・チュブをちょっとお得なプライスで再度販売するべきかちょっと悩んでおります(もちろんまだショップにありワックスも塗っておりません)。ご興味ある方がいらっしゃれば、ご一報くださいませ。



Diamond-tail Quad
 こちらはダイヤモンドテール・クワッド。PDX系の流れるようなカーブの定番アウトライン。ショートレングスでマッカラムの最初の一本に悩んでいるならまずはこのPDX系が良いかもしれません。
 ビーク・ノーズから大胆なシャイムデッキ。そしてテールはシャキッとしたダイヤモンド。センターのボリュームはマッカラムらしい快感とも思えるドライブ&フローを生み出します。チャイムデッキのためレールは程よく落とされており、しっかり波にフィット。

リック・クローお手製のマッカラム・オリジナル・クワッド・フィン。フロントで5”プラスなので通常よりかなり大きなものですが、センターのボリュームからくるドライブとフローにはこのフィンが絶妙なバランスでフィットして気持ち良いターンが出来ちゃいます。
このサンデッド・バンドも独特な存在感がありますね。ワックス塗ったら目立たないとしても常に細部まで隙なくこだわるのがマッカラムらしいところ。マークはなくてシンプルなのもこのボードの良いところです。(ボトムにハンドシェイプのサインがあるので、マッカラムなのは保証できます)こちらはストックボードです。




 同じモデルでも一本一本ワンオフしてオンリーワンにしているのはマッカラムの魅力であり、またシェイプに自信があるからこそ出来るシェイパーとしてのスキルの高さの証明でもあります。アウトライン。カラーリング。そしてフィン。随所にマッカラムならではのオリジナリティーが溢れるサーフボード。見た目の美しさはもちろん、サーフィンの楽しさを再認識できちゃう人も多い魅力的な乗り味。まだ味わっていない方は是非乗ってみて下さい。